

ダイヤモンド社 市川有人さん
※編集部注※このインタビューは2009年5月に収録しました。市川さんは2010年1月にダイヤモンド社へ転職されました。
第2回目にご紹介するのはナナ・コーポレート・コミュニケーション(Nanaブックス)の市川有人さんです。水声社を経て、現在のNanaブックスに。
『情報は1冊のノートにまとめなさい』『ギスギスした職場はなぜ変わらないのか』など多くのヒット作を担当されています。気さくで、とてもスマートな男性です。
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ギスギスした職場はなぜ変わらないのか) 手塚利男 |
本を作る仕事がしたかった
ーー今Nanaブックスで働いて何年目ぐらいですか?
大学でフランス文学を学んで、卒業後は水声社というフランス現代思想などの人文学術書を出している会社に入りました。そこで、海外文学など翻訳物を中心に、おもに小説の編集をやっていました。
今の会社に入ってからは七年目ぐらいですね。Nanaブックスというのは、社名が長いのでなかなか覚えてもらえなかったので、2005年から使い始めた当社の出版ブランドのことです。
ーーNanaブックスに入ったきっかけは?
前の会社を辞めた後に、一年ぐらいイギリスへ行ってたんです。戻ってきてから、就職活動を始めたのですが、厳しい時期で、苦労しました。その中で、知り合いがこの会社の人を紹介してくれたんです。その時はちょうど書籍部門を立ち上げて半年ぐらいの時で、これからという時だったので、書籍担当という形で入りました。
ーー最初に編集者になりたいと思ったきっかけは何だったんですか?
父親が書籍の編集者だったんです。だから、家にはものすごい量の本があって、いつも本に囲まれていました。とはいえ、最初は編集者になるつもりは全然ありませんでした。本当は大学院に行って、研究者になりたいと思っていたんです。大学の教授とも仲良くなって、今どき珍しいくらい大真面目にフランス文学を研究していたんですよ(笑)。
だけど大学四年のときに父親が亡くなって、悠長に大学院なんて行ってられなくなりました。それで本が好きだったので編集ぐらいしか思いつかなくて。編集者がどんな職業なのかさっぱりわかりませんでしたが、とりあえず「本を作る」仕事がしたかったんです。
ーー編集者になってよかったと思いますか?
そうですね。でも、正直言うと前の会社にいた時は結構ハードでした。小さい会社だったので、何から何まで自分でやらなくてはいけなくて。全部いい経験にはなってるんですけど。
コスト削減のために組版(レイアウトソフトを使って紙面を作成すること)も自分でDTP(コンピューター上で行う編集作業)でやらなければいけなかったので、企画、編集、制作、本文デザインとすべて一人でやっていました。
その上、取次(本の流通問屋)への部数交渉を担当したり、倉庫から在庫を取ってきて改装(新しいカバーやオビに変える作業)までするという、それはそれはハードな毎日でした。それで、正直もう編集は嫌だと思って一度は辞めたんです。
やっぱり本作りに関わっていたい
ーーどうしてまた戻ってこられたんですか?
学生の時からフリーペーパーを友達と作っていて、辞めたあとも結局そういうのばかり作ってたんですよ。イギリスに行ってる間も、向こうでいろいろ作っていました。
編集は嫌になって辞めたはずなのに、やっぱり冊子とかを作ってるのが1番楽しいなと思ったんです。そして戻ってきて就職活動をした時も、編集としての仕事を探していました。その時ですね、自分には編集しかないな、と思ったのは。
ーーイギリスではどういった冊子を作られてたんですか?
イギリスでは日本人向けのロンドンガイドを作っていました。あとは、当時日本人留学生向けの新聞が出ていて、同じようなメディアが作れないか、と友達といろいろ話したりしていて。それと、音楽が好きなので、向こうのDJやミュージシャンと仲良くなって、日本の雑誌だとウソをついてインタビューして(笑)、ちょっとした音楽雑誌を作ったりしてました。
ーー日本ではどういうフリーペーパーを作られていたのですか?
仲間で東京の観光地を毎月回ってレポートする『月刊東京観光』という雑誌を作ったり、あとはあまり続かなかったですけど、『short-cuts』という映画雑誌を作ったりしてました(笑)。
ーーそういった経験の中で今だから言える失敗談などありますか?
特に……大きな失敗はなかったと思います。というより、たぶん忘れているだけだと。嫌なこととかすぐ忘れちゃうんですよ。失敗から何かを学べれば、それは失敗じゃなくなっているんでしょうし。
よく几帳面なタイプに見られるんですけど、本当はいつもボーっとしてますし、あまり悩んだりすることはないですね。一つひとつ忘れないと前に進めない単純な性格なんです。








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[...] (続く) [...]