
ヒット作『情報は1冊のノートにまとめなさい』
ーーヒット作となっている『情報は1冊のノートにまとめなさい』のエピソードを聞かせてください。
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奥野 宣之
ナナ・コーポレート・コミュニケーション 2008-03-12 おすすめ平均 |
あれは著者エージェントのアップルシード・エージェンシーさんが、20社以上から断られたあとに、ウチに持ってきた企画なんですよ。もともと仲の良かったある編集者がアップルシードさんに転職したばかりで、彼から「一緒に仕事しましょうよ」と、お話をいただいて、彼が持ってきてくれたいくつかの企画の中に、この本の企画があったんです。
もちろん、本は最初の企画とはだいぶ変わっているのですが、当初から「手帳に一元化」というキーワードがあることに注目していました。ところが、手帳術の本として出すにはシーズンに間に合わなくなったので、途中から情報整理をテーマにした本に方向転換したんです。
ーー著者の方とは密にコミュニケーションをとられていましたか?
そうですね。著者の奥野宜之さんは初めて本を出す方だったので、エージェントがうまくサポートしてくれていました。
著者がいて、編集者がいて、サポーターであるエージェントがいるという、すごくうまくいったトライアングルの関係ですね。本を作るのに人数が多ければいいというわけではありませんが、幸運なことに、エージェントの担当者とは昔から仲が良く、著者の奥野さんも27歳の若い人なので、三人がお互い素直に物を言い合えるフランクな関係でした。
そのエージェントの担当者とは、面白い・面白くないと思う感覚がすごく似ていて、3人で議論していても、全員が納得してどこかに着地することができたんです。これはかなり珍しいことだと思います。
お互いが違うことを言い張って「では、あいだを取って」という妥協案ではなく、納得しない著者に無理やり書いてもらうというのでもないんです。3人が意見を出せば出すほど、良い方向に向かっているのが3人とも実感できました。
ニーズは自分の中にもありました
ーー何件も断られてきた企画をどうしてやってみようと思われたんですか?
『情報は1冊のノートにまとめなさい』って僕がタイトルを付けたんですけど、
実は僕自身が全然情報を一冊にまとめられてなくて、ノートを7冊使ってるんですよ。全然まとまってないんです(笑)。
自分自身が手帳やメモを一元化してみたいなと思っていたので、この企画に興味を持ちました。7冊も常に持ち歩いているので、めちゃめちゃ重いですよ。
ーーなにか思いついたときはさっとメモできるようにという感じですか?

A5サイズのノートを活用
それもありますが、ノートは僕の仕事のやり方においてすごく重要なんです。おもに企画を立てるときに使いますが、試行錯誤の上にたどり着いた7冊なんです。だから、やっぱり1冊にはまとめられない(笑)。サイズもいろいろと使ってみて、結局A5に落ち着きました。
メモするだけなら、ケータイのほうがよく使います。ちょこちょこメモして、会社のPCにメールで送るとか。最近ではi phoneを使い始めました。かなり便利ですよ。ネットがすごく使えるので、よく調べ物をしたり、売上データをこまめにチェックしたり、アマゾンをしょっちゅう見てますね。
情報収集のポイント
ーーこの7冊のノートのうちわけを教えてください。
まず、ノートにはカバーを付けていて、基本的に2冊のノートを一つのカバーでくるんでいます。なので、見た目は4冊ですが、実際は7冊です。いろいろと資料を貼り付けたりスクラップして、だんだん分厚くなってくるので、4冊ごとにバンドでとめています。
(1)To doリスト。
その日にやるべきことを書いているものです。ロディアのブロックメモを使っていて、タスクが終わったらチェックします。ここはいずれiPhoneに移行するかもしれません。それ以外はすべて無印のノートを使っています。
(2)思いつきメモ
企画のネタとか販促のアイデアなど、思いついたものを常にここに書きとめています。すべて思いつきなので箇条書きにしていて、あえて1、2行でまとめています。
(3)買うべき本リスト
『情報は1冊のノートにまとめなさい』でいうところの「探書リスト」です。編集者の場合、本は買うだけじゃなくて知っている必要もあるので、気になった本はすべて書くようにしています。
これも今後i Phoneに変えようかなと思っています。
(4)編集ノート
打ち合わせの時にメモを取る用です。資料などはそのまま貼り付けます。
(5)個人的なノート
仕事とは関係ないプライベートなことを書いています。1年後の目標とか、週末にやりたいこととか、家計簿の見直し案とか(笑)。
あとはスクラップをずっとやっていて、これが自分の情報収集の一番のポイントですね。すごいアナログで、2冊使っているんですけど、書籍と雑誌の新聞広告を、日経新聞と朝日新聞の両方、毎日スクラップしています。その中で気になったキーワードを蛍光ペンでチェックするという感じですね。
ーー日課のようにやられているんですか?
そうですね。昔は朝日だけだったので、そんなに量はたまりませんでしたが、朝日と日経をやりはじめてからは、2週間で1冊終わるくらいのペースです。
どんどんたまっていってしまって、読み返すのが追いつきません(笑)。
情報だけなら、それこそiPhoneを使っていくらでもネットのニュースを読めますが、広告だけは新聞広告がいいんです。新聞は、ほとんど広告のためだけにとっています。
ーーこのスクラップから企画を立てることもあるのでしょうか?

毎日複数の新聞広告をスクラップ
そうですね。僕はキーワード主義者なんです。とにかくキーワードを大切にしていて、それを企画のベースにしてるんですよ。何よりも読者はキーワードにひかれて本を買うと思うので。逆にいうと、言葉が読者を動かすのだと思っています。
新聞広告は、編集者が一番その本で訴えたいこと、読者に訴求できると思っていることを1フレーズに落とし込んで載せています。タイトル、リード、紹介文、すべて編集者や出版社が練りに練って、マーケティングの上に打ち出しているキーワードです。
スクラップしてキーワードをチェックしていると、何が今の時代に求められているのか、どんな言葉で読者にアプローチしようとしているのかが少しずつわかってきます。
ベストセラーを連発しているある編集者が「編集者は毎日書店に行け。毎日辞書をひけ」と言ってました。僕もこの2点はすごく重要だと思います。
ですが、実際毎日書店に行くのはちょっと難しかったり、なかなかキーワードをつかめないときもあるので、その補佐として自分なりにこの新聞広告のスクラップを続けています。
新聞広告には、各社イチオシのエース級新刊が載っていますから、必ず押さえておきたいものはだいたいわかります。そして、キーワードをチェックすることで、時代の気分を象徴する言葉にも敏感になれるのだと思います。
スクラップはためてしまうと、あとで作業をするのが大変なので、常にハサミやテープのりを持ち歩いて、気になった広告はその場で切り抜いてノートに貼り付けています。

愛用している文房具
いつもペンケースを2つ持ち歩いていて、1つは赤ペンや蛍光ペンなどを入れています。もう一つはハサミや一枚切りカッター、付箋、修正液、テープのりなどを入れています。
本作りというのは、何となく漠然としている思いつきネタみたいなものを少しずつ形にしていって、最後は象徴的なキーワードに落とし込むことがポイントだと思います。
だから、最初からキーワードが立っている企画は強いです。売れている本のほとんどは、読者にアピールできるキーワードを持っています。




ACCESSユーザーには、素晴らしい出来栄え
いろいろ工夫していきたい
あくまでも情報整理の手法のひとつ




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[...] (続く) [...]