
見出しはピックアップ
ーー本を作るうえでのこだわりは?
見出しに力を入れています。テーマの設定や取材の充実など、こだわりや大事にしなければならないことは挙げればきりがありませんが、なかでもタイトルと見出しをどれだけいいものにするかについては、人一倍こだわっているつもりです。
おもしろい本は必ずと言っていいほど、いい見出しが付いているものです。
ーーいい見出しとは要約力を指すのでしょうか?
私で言うところの見出しは、要約とは少し違います。もちろん要約する箇所もありますが、どうしたらこの次の項目を読んでもらえるか、という発想で作っています。自分が客観的に読んで、一番引っかかったフレーズやキャッチーな言葉を見出しにしています。
例えば、「検索は、するな。」のとある一項目を要約すると「物事の見方はひとつではない」となるのですが、文章中に例として、童話の「三匹のコブタ」が出されていたので、見出しは「三匹のコブタ、一番かしこいのは誰か?」とつけました。要約よりも、次を読ませるためのピックアップなんですよね。
あとは比喩ですね。極端な話、本のタイトルになった「千円札は拾うな。」という言葉は、本文中に一度も出てこないんです。「目先のことにとらわれるな」、「今まで大切だと思っていたことを一度手放してみよう。」ということの比喩なんです。そうだな、これをうまく言い表すとしたらどうなるだろう、というディスカッションのなかで、著者が「要するに、千円札は拾うなよ、ってことなんですよね」と言ったんです。「おもしろいですね!」ということで、タイトルになりました。
仕事ができる人はたとえ話がうまい、と言いますが、私もそう思っています。編集者という仕事の場合、比喩や言葉の置き換えなど、言葉にまつわる技術やそのセンスは、常に磨きたいものです。言葉のうまい置き換えだけではなく、言葉そのものを生み出す錬金術師。
編集必須アイテム
ーー愛用グッズやアイテムはありますか?
私はいつも万年筆を使っていますね、好きなんですよ。モンブランはまだ高くて買えないんですけど、いつかは使いたいですね。

万年筆と手帳はいつもセット
あとは、最近クリエイターズダイアリーを気に入って使っています。
前にお仕事をご一緒したデザイナーさんが愛用していたもので、その可愛さに一目ぼれした私に紹介してくれたんです。
横長の一枚の紙が折り畳まれてアコーディオンのようになっているタイプで、一年分のスケジュールになってます。

こうやって伸ばせるので、ページをまたがず、仕事の流れが一目でわかる手帳です
毎日の日時の下には、「JobA」「JobB」「JobC」…と、これがJobMまで書き込めるようになっていて、それぞれの仕事の進行状況を平行して一覧で見られます。
他の仕事とのバランスやタイミングを調整しながらスケジュールが立てられるので、編集者の方だけでなく、デザイナーさんなど複数の案件を同時進行で抱える方にオススメですよ。
デザイナーさんが作った手帳らしく、ページサイズや、用紙のサイズ表もついています。
この1枚のアコーディオンのようなスケジュールの裏は、白。ここに日常的なメモなどしています。私、メモに書き留めておいても、それを無くしてしまうことがあるんですよ。
これは、メモ帳とスケジュール帳が一緒になっているので、忘れっぽい私にぴったりです。
これはスパイラルで売っています。あそこはおもしろくてかわいいものがいっぱいあるので、よく立ち寄っています。

カバーも中も真っ白の束見本
そして、これは編集者ならではかもしれませんが、束見本(実際の仕上がりと同じ用紙・ページ数で製本した白紙の見本)です。
取材などで持っていくと、いろんな人に「これ、何ですか?」って聞かれます。
デザイナーさんにツカ幅をお知らせし、全体のイメージをつかんでいただくために束見本を作るので、会社にはどんどんたまっていきます。
余って破棄することになったものを再利用していますが、罫線もなく自由に書けるので、取材ノートやアイデアを出すための落書き用として活躍しています。







[...] (続く) [...]