ダイヤモンド社 和田史子さん

編集者は末續慎吾である!



ーーベストセラーに共通することって何かあると思いますか?

よくわかりませんが……。最近思ったのが、「編集者は末續慎吾である」ということです。北京オリンピックの男子4x100メートルリレーにたとえて言っているんですが、著者、編集者、営業・書店さん、そして4走者の読者の皆さんへのバトンパスがうまくいった本が、ベストセラーになるのではないかと思っています。

第一走者は「著者」。何はともあれ、すぐれた書き手、魅力的な著者がいなければ、ベストセラーどころか本そのものも成り立ちません。そして、第一走者である著者の能力を最大限に生かしてパッケージにするのが編集者です。一人でも多くの読者に、著者や本の良さを知ってもらうために、あらゆる創意工夫や力を尽くすのが書籍編集の仕事のような気がします。

ーー著者の方はどうやって見つけていますか?

いろいろです。人から紹介していただいたり、自分からアプローチをかけることも。また、社内も貴重な情報源。ダイヤモンド社には週刊誌がありますし、営業が書店さんから聞いていた話など、情報を扱う会社には、たくさんの情報があふれているんです。外にアンテナを張り巡らせるのも大切ですが、こうした社内ソースを活用することも大事だと思います。

週刊誌の記者がすすめてくれた経営者の著書、人材開発商品を扱う部署からの情報から生まれた企画、営業の同期からのリクエストから実現した本など、社内ソースから生まれた本はたくさんあります。前の話につながりますが、ここでも助けてくれるのが、同期です。中途採用で同時期に入社した仲間が、いろいろな部署にいて、さまざまな情報を教えてくれます。ありがたいですね。

デジタルをうまく仕事に取り入れています。

デジタルをうまく仕事に取り入れています。

ハイテクとアナログの

バランス



ーー愛用グッズを紹介してください。

今年、モバイルパソコン、VAIOのノート(TypeP)を買いました。携帯やパソコンなどのデジタル機器というのは常に進化しているので、定期的に買い換えるようにしています。油断するとすぐに疎くなってしまい、すさまじい時代の移り変わりについていけなくなってしまいます。たとえばアルファブロガーの方の情報感度の敏感さや速さに、紙の編集者が全くついていけないっていうのは、悲しいですよね。私もまだまだなんですけど、意識的に新しいものや流行をチェックするよう、心がけています。

写真の金色のクラッチバッグは、VAIO専用のPCケースなんです。オシャレで衝動買いしました(笑)。パソコンにもファッションの発想が採り入れられているのだと知り、勉強になります。モバイルPCを使うシーンを想起させる商品ですよね。

あと、モノを買う時って、いろいろ比較するじゃないですか。値段の高い安い、スペック、軽さ、色、薄さなどの購買要素を検討するので、「モノを買うまでのプロセス」を考えるいい機会なんですよね。直接的ではないですけど、本作りにも役に立っています。自分がモノを買うときに、どういう優先順位で選んでいるかを改めて考えるいい機会にもなるんです。

ーーデジタル機器で最近買って良かったものは?

そうそう、ICレコーダーを買い換えました。今はコード不要で直接USB接続できるレコーダーがあるんですね。音質も良く、データ形式もmp3で扱いやすく、もっと早く買い換えれば良かったと後悔したほどです。最新の技術をうまく利用すれば、仕事の効率ってグンと上がるんですよね。パソコンも最新のもののほうが速くて容量も大きいですし、デジタル機器はこまめにチェックして、お金の無駄遣いにならない程度に買い換えようと思っています。

ーーもともと機械系が好きなんですか?

好きですね。電子辞書やiPodなど、私の家や会社の机には「デジもの」がいっぱいあります(笑)。説明書を読むのも苦になりませんし、パソコンの設定とかコードの接続も、得意ではないんですけど、自分でやりたい派です。

と言っていると、すごくデジタル人間のようですが、一方で、アナログな部分もあって、文房具や手紙が大好きなんです。

図のラフやイメージを書くスケッチブックとマークシート用のシャープペンシル

図のラフやイメージを書くスケッチブックとマークシート用のシャープペンシル

ーー文房具などの「アナログ」手段は、どう活用していますか?

図表やイラストのイメージをイラストレーターさんやデザイナーさんに伝えるために、スケッチブックに自分でラフや絵を書くこともあります。写真のスケッチブックは薄くて、重くないですし、ざらっとした質感で気持ちいい。書くときは芯の太い(12ミリ)シャーペンを使っています。受験生が使う、マークシート用のもので、鉛筆感覚で書けるところが気に入っていますね。

和田さんが書いたイメージがそのまま本に

和田さんが書いたイメージがそのまま本に

スケッチブックにマインドマップ(R)を描いて本の企画を考えたりと、アイデア出しの段階では、アナログなツールが大活躍します。良いなと思った本のカバーをコピーして貼ったり、スケッチブックは欠かせないアイテムのひとつかもしれません。

また、書くことで頭が整理されることもあるので、仕事の進め方で悩んだときなども、スケッチブックに問題点や不安に思うことなどを書き出して、状況を俯瞰することもあります。

あとは、ちょっとしたメモや一言を大きめの付箋に「よろしくお願いします」「ご確認ください」などのスタンプを押して、ゲラ刷りに貼って渡したりすることもあります。

気持ちを伝える文房具たち

気持ちを伝える文房具たち

ーー受け取る側からすれば、そういうささやかなことがうれしいですよね。

可愛い絵のついたスタンプはふざけているという説もあります(笑)ので、送る相手は選ばれたほうがよいかもしれません。

ほかにも、一筆箋やサンキューカードもよく使います。本が完成したときなど、カードに一言添えて、著者などに送るんです。

仕事のやりとりは、無味乾燥になりがちなので、こうした文房具で温かみのあるコミュニケーションができればと思っています。

(続く)

ダイヤモンド社 和田 史子さん vol.3

更新日: 2010年 4月 28日| このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

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