スカイライター 川辺秀美さん

幅広く読むということ



ーー川辺さんはどうやって国語力を身に付けられました?

僕は読むのが仕事ですから。仕事をする上で自然と身に付いたっていう感じですね。編集の仕事に限らず、とにかく量を読まないといけないって思うんです。ただ仕事に追われて原稿に目を通すだけではなくて、もっとたくさん読まないといけないんですよね。だってプロなんだから、情報持っていないのはおかしいじゃないですか。強烈に読まないとやっぱり良い本は作れないと思うんですよね。

ーー「読む」ってことは編集者にとって基本でしょうか?

基本ですよね。編集者になるんだったらやっぱり月10冊では全然少なくて、20冊くらい読まないとダメだと思うんですよね。僕はほとんとど自腹で買って読んでいましたよ。

好きなものだけを選んでいたら情報が偏ってしまうので、ジャンルを分けて、いろいろと買わないといけないんです。だから理工書から洋書、通常のビジネス書から人文書まで、きちんとそこは切り分けて読むんですよ。その中で強みを持っていくことですよね。幅を持って、しかも強みがないと話になりませんね。

ーー幅広くたくさん読むと?

編集者になりたいんだったらそうですよね。そしてポイントは「自腹で」ということ。会社に請求書なんか上げちゃダメですよ。自分で投資しないと身に付かないんです。だから僕の部下がバンバン請求書とか上げてきた時に、すごい説教しましたね。「お前ら、恥ずかしいと思わないのか」って。プロだったらそういう覚悟が必要だと思うんですよ。そういう気骨がない限り、いつまで経ってもサラリーマン編集者ですよ。

ーーサラリーマン編集者ですか。

みんな頭が良すぎるだと思いますよ。計算の中でしか仕事をしないんですよ。だからセールス的にはそこそこの良い結果が出せたとしても、その本は魅力的じゃないんですよね。特にビジネス書は今、全く面白くない。怖がってるから、二番煎じの企画しかやっていない。確率の高い著者のババ抜き状態なんじゃないでしょうか。

頭で考えて「これは良いって作品」なんていうのは力がないと思うんです。『ウケる技術』の場合で言えば、僕は出るまでどんな作品か分かりませんでしたよ。編集者の僕にも理解出来ない部分があって、入稿までどんな本になるのかわかっていませんでした。青焼きを読んだときに「あ、こんな本なんだ」って思ったんですよ。それくらいのワケのわからなさってパワーがあるってことなんです。

本を作るなんて簡単なことで、ワクワクする企画を立てて、それを力のある人とやること。そんな単純なことなんです。出版不況と言われている時代だからこそ、もっとちゃんとそれぞれの編集者が考えて、個性的な作品を出したいですよね。それが出版が活性化する最短の道だと思うんです。

ーー個性的な作品にはリスクが伴いますよね

そうなんですよね、リスクを取ることは大変です。だけど、僕はクビを切られる覚悟はずっとありましたよ。そういう勢いがないと目標も突破出来ないと思っていましたから。

これからやっていこうという若い人たちはそれくらい破天荒にやってほしいです。本が売れなかったとしても、それでも俺はやってやるっていう風にほら吹いてる人の方が良いと思うんですよ。そういう人だったらみんな、周りも期待するから。僕はそうやってほら吹いてましたよ。失敗した後も「いやいや次は絶対ベストセラーです」って言って。どんどん嘘ついてました(笑)。

川辺さんご愛用 コーネル式ノートと万年筆

川辺さんご愛用 コーネル式ノートと万年筆

ーー編集者として、手放せないグッズはありますか?

コーネル式ノートですね。
アメリカのコーネル大学が開発したノートなんです。

普通のノートに見えて、余白の取り方が変わっているんです。見出しで検索できるノートなんです。東急ハンズなどの文具を専門的に扱う店で買えますよ。

見出しなどが付けられる様に、ページの左側に余白が取ってあるユニークな構成

見出しなどが付けられる様に、ページの左側に余白が取ってあるユニークな構成






あとはノートパソコンですかね。インターネットがどこでも出来るようにPHSのカードが付いています。




そして京大式カードです。大きめのB6ぐらいのサイズのカードで単語帳みたいなものです。アイデアをそこに書き込むためにいつでも持っているんです。書き込んではパラパラと見て。KJ法ができるのが特徴です。

(続く)

スカイライター 川辺 秀美さん vol.4

更新日: 2010年 4月 28日| このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

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