ダイヤモンド社 加藤貞顕さん

ダイヤモンド社 加藤貞顕さん

ダイヤモンド社 加藤貞顕さん



第12回目にご紹介するのは
ダイヤモンド社の加藤貞顕さんです。

スタバではグランデを買え!』や『投資信託にだまされるな!』など
多くのヒット作を担当されています。

そのヒットの秘訣と加藤さんの哲学を教えていただきました。


パソコン雑誌からビジネス書籍へ


ーー編集者になられて何年目ですか?

9年目です。ダイヤモンド社に入る前は、アスキー(現アスキー・メディアワークス)にいました。アスキーでは、エクセル、ワードなどの解説を初・中級者の読者向けに解説するパソコン雑誌を中心にやっていました。

ーー転職されたきっかけは?

当時、雑誌と平行して単行本も手掛けていたのですが、その頃から、一冊一冊につきテーマが変わるという単行本作りの面白さを感じていました。そのころ作ったものでは『コンピュータのきもち』のような読み物や、あとはヒット作となった『英語耳』シリーズがあります。こういうふうにいろんな分野の本をつくるようになったことで、もっとひろい分野の本にもチャレンジしていきたいと思い、ダイヤモンド社を受けました。

ーー編集者になろうと思われた理由は何ですか?

最初は学者になろうと思って大学院に進みました。でも、僕は熱しやすくさめやすい性格で、専門分野について、何年も研究し続けるという職業には向かないなとある時気づきました。大学院に行ってからでは遅いんですが(笑)。あとは何が自分はできるかなとしばらく悩みまして、本が好きだから編集者ならなれるかなと甘いことを考えました。ただし当時は大阪に住んでいたので東京にひんぱんに行くような大変な就職活動はしたくないし、年齢もそれなりにいっている。そこで考えたのが、コンピュータ関連の出版社に行くというアイデアです。

そのころ僕は、リナックスという世界中のコンピュータマニアたちが競って作っているフリーのOSにハマってました。開発者たちが集まるメーリングリストにいくつも入って、いわゆるオタクな活動をしてました。ちょうどそのころアスキーが『Linux Magazine(リナックスマガジン)』という雑誌を立ち上げて、まだ学生でしたが、記事を書く機会をいただきました。それをきっかけにアスキーの新卒採用に応募したという次第です。

そういう流れで、なんとなく編集者になってしまったのですが、本が好きで、熱しやすく冷めやすいオタク体質の僕にとっては、結果的に向いている職業だったと言えるのかもしれません。



挑戦した一冊『英語耳』




英語耳 発音ができるとリスニングができる(CD付き)
松澤 喜好
アスキー
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ーー転職のきっかけにもなった『英語耳』について聞かせてください。

先ほど、コンピュータにハマっていたという話をしましたが、その次にのめり込んだのが英語でした。当時は、本当にとりつかれたように朝から晩まで勉強していまして、睡眠時間は削るのはもちろんで、歩いてるときもやってました。だから必然的に、あと勉強できるのは会社にいる時間だけだ!となりまして、ならばそれを仕事にすればいいと考えました。われながらどうかしてますが(笑)。

語学というジャンル自体、当時のアスキーではあまりやっていない分野だったので、会社を説得して企画を通すのはけっこう苦労しました。だから何としてでも成功させないといけないと思い、最低でも10万部は売ろうと目標を設定して進めていきました。

ーー目標達成のためにどういった対策をとりましたか?

まず、内容は自信がありました。元ネタは著者の松澤先生がウェブサイトに書いていた話なのですが、そのやりかたで勉強したら僕自身の英語のリスニング力が数ヶ月で一気にあがりました。3カ月程度の学習で、TOEICで855点を取れたんですが、自分自身すごくびっくりしました。しかも再現可能な話なので本にすれば行けるだろうと思いました。

そこで、あとはタイトルやデザインで差別化だなと思いました。いまはだいぶ変わりましたが、当時の英語学習書の棚はけっこう地味なコーナーでした。デザインとかタイトルが、今よりもずっとおとなしいものが多かったと思います。門外漢の僕には、そのころの英語本は、英語の専門出版社が英語のマニア向けに作った本と、ものすごい初心者向けにつくった本の2種類しかないように見えました。同時に、もっと普通の人だってこのジャンルの本を読みたいはずと思いました。

そこで、カッコよく、かわいく、オシャレな、要するに雰囲気のいいものを作れば売り場で目立つだろうなと考えました。デザイナーさんがすごくいいものを出してくれたので、それがまさにうまくいったと思います。当時、一般書を扱う出版社が同じようなスタンスで英語学習書に参入しはじめたのですが、運よく『英語耳』は売れてくれました。最初の10万部という目標を大きく上回り、1年目で20万部を突破し、いまでは35万部を超えています。宣伝や営業のみなさんにも、コンピュータ書以外の本なのにすごくよくしてもらいました。

(続く)

ダイヤモンド社 加藤 貞顕さん vol.1

更新日: 2010年 4月 28日| このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

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コメント / トラックバック2件

  1. 水野隆張 より:

    お久し振りです。元パソコン師匠の弟子入りした水野です。
    もうすぐ後期高齢者75歳になりますがまだピンピンしております。
    上記ウェブサイトに中小企業診断士仲間と中国に関する情報を掲載しており私はその事務局を務めております。このようなものを出版する事は無理でしょうか?コメントをお願いします。
                             元パソコン弟子の水野隆張

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