
趣味から企画を立てる
ーーご自身で深く「はまった」経験から本を作られたとのことですが、他にもなにかありますか?
ここ最近でいちばんはまったのはワインです。もともとの発端は『僕がワイナリーをつくった理由』という最近つくった本なのですが、そのための勉強と言うことで昨年は死ぬほどワインを飲みました。
1年間、相当の時間とお金をついやして、結論として得たのは「ワインはそれぞれのよさがある」というアホみたいな知識でして、我ながらびっくりしました(笑)。でもほんとに、安いワインも高い高級ワインも、それぞれおいしいんですよね。
その少し前はオバマでした。『マイ・ドリーム』というオバマの自伝をダイヤモンド社から出版しているのですが、これはずいぶん前にYouTubeで見た2004年の民主党党大会の演説がきっかけです。一見して、すごく心に訴えるものを感じ、なによりも純粋にカッコいいなーとすごく思いました。で、彼の生い立ちを調べてみると、彼の生い立ちには現代の世界の人々がかかえているストーリーが全部はいっていることがわかりました。人種、宗教、アイデンティティについての悩み、離婚、途上国、先進国、田舎、都市、進学、NPO……。こういう、現在の世界に共通するものがぜんぶ含まれていて、しかも演説もうまくてハンサムです。時代を象徴しているので、もしかすると「くる」かもしれないと思いました。そんなとき、この版権が売りに出されました。すごく高額だったのですが、上司にも相談してオファーを出させてもらいました。その後は、本当に運良く、びっくりするほどうまくいきました。オバマの当選後は、弊社から出ているもう1冊オバマ本の担当者といっしょに、高円寺の火鍋屋で祝杯をあげました。
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1%の法則
ーー仕事をするうえで気をつけていることはなんですか?
マーケティング的に考えているのは「1%の法則」というものです。これは僕が自分で考えたあまり根拠のない仮説なのですが、経験的に結構うまくいっています。
どういう仮説かというと「本の部数はその本がターゲットとする潜在顧客数の1%が最大」というものです。たとえば、日本の全人口を1億人とすると、全員をターゲットにできる本なら、最高にうまくいくと100万部売れると考えます。具体的なテーマでいうと、親子の物語、青春もの、恋愛ものなどがそうです。たとえば『東京タワー』なんかがわかりやすい例です。あれは年齢も性別も関係なく売れた本だと思います。逆に言うとそうでないと100万には届かない。
ビジネス書でいうと、たとえば『英語耳』という本をつくるときは、こう考えました。日本の全人口で英語に興味がある人は4000万人くらいいるのではないか。そのなかでもリスニングに興味があるひとは半分の2000万人くらいはいるだろう。その1%となると20万部。すくなくとも、その半分の10万人が買ってくれる本をつくることができるのではないか。では、そのためにはどうしたらいいか? ……といった感じです。
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もちろん、内容についてはまた別にいろいろあるのですが、マーケティング的な数字の出発点はこうでした。本当にざっくりでもいいので、具体的な数字を出すことでターゲットが見えてきます。ターゲットが見えてくれば、デザインや文体、文字の大きさ、難易度などが自動的にいろいろ決まってきます。やるべきことがわかるのが最大のメリットだと思います。
ーー毎回一貫して「1%の法則」に当てはめるのですか?
そうですね。僕がよくやるのは、自分がすごく好きなことに1%の法則を当てはめてみるということです。自分の興味を、世間が必要としていることや、これから広まるであろうこととにクロスさせられないかなと考えてみるんです。これがうまくできると、そのときに好きなことを仕事としてできるので、それはやっぱり力を発揮しやすいですよね。いちおう言っておくと、自分が好きなことばかりをやれるわけではないですよ。やはり相応のお客さまがいる市場であることを最優先で考えています。
たとえばですが、自分がミジンコについて興味があったとします。となると、ミジンコの本が出せたら楽しいなーと思いますよね。そういうときに1%の法則を使います。たぶんミジンコの本を買いたいと思うほど強い興味がある人は1000人に1人くらい、つまり日本全体では最大で10万人くらいじゃないでしょうか。1%の法則で、最高にうまくいくと潜在顧客数の1%と考えると、最大部数は1000部です。これでは採算があわないので出版は難しいです。それでも出したければ、違う切り口を考えたり、学術書にして定価を上げたりなどの工夫が必要でしょう。
本をつくるのは、売れる本でも売れない本でも一冊を作る大変さはそんなに変わりません。どうせ作るからにはできるだけ売りたいですから、僕は潜在顧客数が1000万人以上、つまり10万部が狙える企画をなるべく出すようにしています。
ーーその他に企画を立てるときのコツはありますか?
あとは日頃の読書から企画を立てることもあります。僕は経費と自腹を合わせると、月に10万円分くらい本を買います。とくに何かにハマったときは、さらにそれが増えて、関連本をほとんど全部買って読んで、ネットでも調べて、マニアのあつまる会合に出たりします。そうやって調べていくと、「こういう本、読みたいけどないな」とか「これが知りたいのにどこにも出ていない」というふうになってきます。
『投資信託にだまされるな!』や『みんなの投資』をつくったときもそうでした。投資信託にはまった時に、それに関するあらゆる情報を読みあさっていました。すると、書店で売っている投資信託関連本は、業界関係者によって書かれた販促ツールで、普通の読者に有用な情報などではないと気づきました。当時、投資信託の有益な情報はネットにしか出ていませんでした。ならば、本を通じて、本当に読者が必要としている情報を届けることができるのではないかと思いました。
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このとき考えたのは、20代・30代から1000万人くらい、50代・60代から1000万人くらいをターゲットにできないかということです。合計2000万人なので、うまくやれば20万部くらいの本にできる可能性があります。なので、やさしくわかりやすい表現、そしてポジティブな雰囲気を重視して本をつくりました。












[...] (続く) [...]
お久し振りです。元パソコン師匠の弟子入りした水野です。
もうすぐ後期高齢者75歳になりますがまだピンピンしております。
上記ウェブサイトに中小企業診断士仲間と中国に関する情報を掲載しており私はその事務局を務めております。このようなものを出版する事は無理でしょうか?コメントをお願いします。
元パソコン弟子の水野隆張