

タコスタジオ 岡部敬史さん
第13回目に紹介するのはタコスタジオ、岡部敬史さんです。
宝島社編集部を経て、現在は企画、編集、執筆業、ブログ評論家として活躍されてみえます。
ヒット作『日本の食は安すぎる』を担当され、『このWeb2.0がすごい!』『ブログ進化論』などを執筆されています。
多様に仕事をされている、その裏側についてをうかがいました。
予算管理から出版の流れを学んだ新人時代
——編集者になられてから何年目ですか?
14年目になりますね。最初に勤めた宝島社で6年。退社して事務所を作りましたが、それから8年です。
——そもそも編集者になろうと思われたきっかけはなんだったのでしょうか。
本が好きで、文章を書くことも好きだった。だから本を作る仕事をしてみたかった。ありきたりですが、これが理由ですかね。
——宝島社に志望された理由は?
大学生のときに『別冊宝島』を愛読していたからですね。当時の『別冊宝島』は、政治からギャンブルまで幅広い題材を深く掘り下げていてとても面白かった。もともと特定のジャンルを志向するって感じではなかったので、僕にとってとても魅力的でした。
——新人時代の思い出深いエピソードはありますか?
いろいろありますが、僕が入社した1995年という年のことは、よく覚えています。この95年は、阪神大震災が起こった後、オウム真理教の一連の騒動があって、大変な年でした。それで、配属の前『宝島30』という雑誌で見習いをしていたのですが、「取材に行こう」って初めて連れて行ってもらったのが、当時、青山にあったオウム真理教の本部で、驚きましたね。田舎の友人たちからも「テロは大丈夫か? 生きているか?」とよく心配されたりしたことを覚えています(笑)。
——『別冊宝島』での編集はどうでしたか?
やりがいがありましたよ。麻雀とか三国志とか料理とか、自分が関心のあるテーマについて掘り下げていけますからね。やっぱり自分が興味のあるものを形にできるのって楽しかったです。
ただ、ハードでしたね(笑)。『別冊宝島』は、基本的に担当一人で作っていました。デスク担当という進行を見てくれる人は付きますが、企画から原稿依頼、編集作業にいたるまでほぼ一人の作業。一冊本が出ると熱を出すくらいでしたが、おかげですごく力をつけさせてもらったと思います。
——成長に結びついた一番のポイントはなんですか?
いろいろありますが、予算管理をしたことは大きいように思います。『別冊宝島』は、担当がライターやカメラマンのギャランティの計算はもちろん、本が出た後の売上げなども把握していくんですが、こういったお金の流れを若いときからしっかりと認識していくことで、ビジネスとしての出版が理解できるし、仕事という意識が高まりましたよね。本を作るというのは、個人の嗜好の部分が強いだけに、こういった仕事意識を持つというのは大事なことのように思います。
予想外な記事ほど、魅力的
——本を作る上での、コツのようなものはありましたか?
これもいろいろありますが、最初に決めたことにとらわれ過ぎないってことでしょうか。当然、企画書はしっかりとしたものを作りますが、それと違った原稿や意見を大切にしていました。最初、思いもしなかったことにこそ、面白味が凝縮されているってことはよくありますからね。ま、これは僕の考えというより、当時の『別冊宝島』がもっていた考え方だと思いますが。







[...] (続く) [...]