PHP研究所 横田紀彦さん
PHP研究所 横田紀彦さん

PHP研究所 横田紀彦さん



第14回目にご紹介するのは、
PHP研究所の横田紀彦さんです。

女性の品格』や『本の読み方 スロー・リーディングの実践』などのヒット作を担当されています。

多忙な著者の方との付き合い方や、新書の特徴などをお伺いしました。


編集者はいい職業だった



ーー編集者になられて何年目ぐらいですか?

93年に新卒でPHP研究所に入社して、もう16年目になりますね。卒業して以来ずっとPHP研究所でやっています。

ーー編集者になろうと思われたきっかけはなんですか?

僕が就職活動をしていた頃は、売り手市場で学生にとっては活動がしやすかったんです。そして就職活動は世の中の仕組みを知るのにいい機会なので、金融、商社、メーカーと幅広くなんでも受けていました。つまり僕はもともと編集者志望ではなくて、出版社は数ある候補の中の一つだったのです。実は今でも自分が編集の仕事に向いているかどうかはわかりませんし、いまだに自分のいちばんの持ち味が何かはよくわからないんですよね。

ーーその中でPHP研究所を選んだ決め手はなんだったのでしょうか?

まず、第一には本が好きだったからです。そして、PHPは出版社のなかでは少し特殊で、研究所という名が付くくらいなので、シンクタンク部門もあるところに惹かれた部分もありました。研究という仕事にも興味を持っていたんです。

ーーどういったことを研究したいと思われたのですか?

漠然と社会科学に興味をもっていました。僕が就職活動をしていた時は、バブルがはじけようとしていた頃で物事の流れは激しく、ドイツのベルリンの壁が崩壊した直後でした。人々の価値観もどんどん変わっていく、いわば時代の変換期だったように思います。そんな中でこれからの世の中はどうなっていくのかを追求してみたかったのです。それが現在携わっている本作りにもつながっているんですよ。入社直後は『Voice』という雑誌に配属されて、まさしくそういったテーマを取りあげていました。そういった意味で編集は僕にとっていい仕事でしたし、これからの人にもぜひやりがいを持ってやっていただきたいですね。この業界は人材がすべてですから。




著者との付き合い方を学んだ新人時代



ーー新人時代のエピソードを聞かせてください。

1、2年目はドタバタでしたね。新人の頃は著者との締切の駆け引きというものが全く見えてこないので、こっちが切羽詰まっていても、それが著者にはうまく伝わっていなかったこともあります。ある著者の方でお忙しくてなかなか締切を守っていただけない方がいたんです。ホテルに缶詰め状態になって書いていらっしゃったのですが、責了日になっても原稿が来ませんでした。そうしたら、翌日上司と二人、来てくれと呼ばれて、ついでにビールを2本下のロビーで注文してくれと言われ、言われた通りにビールを2本持って行ったんです。僕はてっきり原稿がもう出来ていると思って、乾杯するつもりで持って行ったら、全くそういうわけではなかったんですよね(笑)。まだ原稿を1行も書いていない、酔っぱらった著者が待っていたのです。そして、「すまん」と言って3000円を取り出して、「これでテープレコーダーを買ってきてくれれば、今ここでしゃべるから。」と言われました。僕はもう真っ青になっていたんですが、上司はそれを見越してテープレコーダーを持ってきていたんです。

ーー準備がいいですね。

そうなんです。のん気だったのは僕だけだったんですね(笑)。それでしっかり口述を録音して、「あとは頼んだぞ。」とポンと上司に肩を叩かれました。それが徹夜明けの朝8時ぐらいで、そこから原稿を作成して夕方に入れました。今から思うと本当にハードでしたが、そのような経験から著者との付き合い方を学んでいきました。

(続く)

PHP研究所 横田 紀彦さん vol.1

更新日: 2010年 4月 28日| このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

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