
大ヒット! 『女性の品格』
ーー『女性の品格』の大ヒットも予測不可能でしたか?
予測不可能でしたね。半年ぐらいしてから売れ始めたんですよ。ブームに火がつく前も、ひと月に1回くらいの順調なペースで増刷されていて、この本にはちゃんと読者がいるなと安心はしていました。その安心が、半年後ぐらいから驚きに変わっていったんです。
ーー半年後に何が起きたのですか?
本の発売が2006年の9月で、翌年の1月ぐらいからテレビで「ハケンの品格」というドラマが始まったんですよ。このドラマの視聴率が尻あがりに上がっていって、それと同時に『女性の品格』の売上も伸びていきました。2007年の3月で10万部だったのが、ドラマが終わっても売れ行きは落ちずに、とうとう7月には100万部までいきました。
ーードラマと本のタイトルの「品格」というのは偶然の一致ですか?
実はその前に藤原正彦さんの『国家の品格』という本が出ていて、すでに品格ブームというものが来ていました。2006年の流行語にも選ばれています。だから、ドラマが終わったら伸びも止まるかなと思っていたら、止まらなかったので、そこで改めて営業部に営業戦略を練り直してもらいました。書店での置き方を変えてもらったり、著者の坂東眞理子さんは控えめな方なのですが、ぜひとお願いしてメディアにも積極的に出てもらいました。そうすると次第にテレビのほうから出演依頼をいただけるようになって、そこからさらに部数が伸びましたね。今では累計306万部を達成しました。
ーー品格ブームの他に、この『女性の品格』が売れた理由はなんだと思いますか?
一つは、今までの新書の読者よりも、敷居を低く下げたことです。坂東さんは女子大学の先生でしたので、女子大学の新入生に向けるメッセージのような感じで書いてほしいとお願いしました。書体を大きくして、各項目を短くし、すぐに小見出しがくるようになっていて、普段あまり読書習慣がない人にも読みやすくしてあります。改めて内容を見返すと当たり前のことばかりなんですが、逆にそこがよかったのだと思います。
あとは「売りたい」と思う気持ちですね。売れることは会社にとってもいいことですが、著者と編集者にとっても純粋にうれしいことです。この内容でいいのだろうかと悩みながら、著者と二人三脚で作ってきたので、それが結果として表れはじめて、50万部超えたあたりから、これはもしかしたら100万部に届くかもしれない、ここまできたら出来るかぎりやれることはやりたいと、あらためて著者も営業も含めて一丸となって取り組んだことが実を結んだのだと思います。








[...] (続く) [...]