
『編集者.jp』が書籍化に!
——編集者.jp書籍化の『スゴ編。』について聞かせて下さい。
たまたまウェブを見ていた時に、「編集者.jp」にたどりついたんです。そして、本当に何気なく読んでいたら面白かったんですよ。
——ありがとうございます。
編集者の方々の経験から作り上げていった「売れる方法論」というのがすごく面白くて、勉強になりました。そして、これはほかの出版関係者にも参考になるのではないかと思いました。
また、編集者が持っているさまざまなスキル、たとえば、本の企画を考える企画力や段取りよく仕事を進める力などは、ほかのビジネスパーソンの仕事にも役立つと思ったんです。出版関係者だけでなく多くの人に知ってもらうきっかけになるのでは、と書籍化をお願いしました。

——今回もカバーに特殊な加工をされてますよね。
ブログにも書きましたが、TYPEFACEさんからデザイン案を出していただいた時に、そのまま普通に印刷してしまうと、白黒でフラットになってしまうからできたら何か加工したいという提案を受けたんです。最初は透明のインキをつけて立体的に盛り上げる「バーコ」という加工がしたかったのですが、結構お値段がするんですよ。オフセット印刷をした後に、専用の版を作ってシルクスクリーンで印刷するので、予算的に難しいと判断しました。代わりに、オフセット印刷と同時に刷れるUVニスはバーコほど費用がかからないので、UVニスが得意な欧文印刷さんに加工をお願いしました。
——紙の素材の工夫や、印刷に加工があるとないとでは本の印象がだいぶ変わりますよね。
弊社もそんなに潤沢に紙や加工を使えるわけではないですが、その制約の中でアイデアを出したり、印刷所の方に協力いただいて、やりくりしていくことが大変でもあり、楽しいところでもありますね。
——改めて『スゴ編。』の装丁見ていると白黒でシンプル、かつ文字にインパクトがありますね。
白黒の装丁はごまかしが効かないので、デザイナーさんの腕の見せどころですよね。完全に文字の配置での勝負ですよね。
——『スゴ編。』も文字の傾きが重要なんですね。
カバーラフを見た時、色も白黒でスッキリとしていて、これは余計に文字や要素を増やさない方がいいなと感じました。表紙のおかげもあり、ただ今好評をいただいています。
デザイン書の編集者ならではのグッズ
——愛用グッズはありますか?
いくつかあるんですが、印刷物の網点を50倍に拡大できるルーペはやっぱり必需品ですね。色校の上に直接このルーペを立てて網点を見て、版ズレしていなか、白地が赤や青とかに転んでないかなどをチェックします。今は本紙で色校をとらなくなってきてますから、たぶん網点までチェックするのは写真集など、ごく限られた仕事かもしれませんね。

——これは箔押しなどのサンプルですね?
はい、そうです。箔といってもたくさん種類があり、金型を使わずに印刷と同時に箔押しができる「インラインホイル」という技術もあるんです。技術もどんどん進化してますから、今までの箔押しではできなかったデザインも可能になってきています。

箔だけでなく、紙やインキの見本帳もよく使います。これはTOKAの蛍光色インキの見本帳なんですけども、2度刷りするとすごく鮮やかな色が出るのでデザイナーさんに人気がありますね。他にもいろんな見本帳を持っています。


——デザイン書ならではのグッズばかりですね。
たしかに、ほかのジャンルの本だとあまり使わないかもしれないですね。私の場合は、このような道具を使って本のイメージをふくらませたり、装丁家の方と意見交換したりするのに役立てています。
コンテンツによって紙と電子を使い分けたい
——今注目していることはありますか?
電子書籍での組版が気になりますね。電子書籍ではまだ組版上の制約があるので、今ある本をそのまま電子化してモニターで読むと見づらいことがあると思うんです。行間をちょっとあけた方が読みやすくなるのかもしれないし、デバイスごとに最適な組版が変わってくると思うんですね。
一番良い文字組は読者が文字組のことなんて気にしないでスラスラ気持ちよく読める組版です。だから読者の方がストレスなくよめるように、今後の電子化を見据えて、エンジニアやデザイナー、編集者が一緒になって読みやすい組版を考えていくべきなのだと思います。
——デジタルの時代ですね。このままいくと紙の印刷はどうなってしまうんでしょうか。
これからは、電子でよいものは電子に、紙である必要があるものは紙に、というふうに二極化していくと思います。たしかに、紙の本は減っていくかもしれませんが、反対に「この編集者、デザイナ−、印刷所でないとできない紙の本」という強みが出せれば、残っていけるのかもしれません。ビジュアル本は国内だけではく、海外でも売れますしね。部数は少ないですが、そういう循環で印刷・出版業界が回っていけばいいなと思います。
——どうもありがとうございました。







