『小悪魔ageha』中條寿子編集長が語る 読者に憑依して書く「キャッチコピー力の極意5カ条」とは?



『キャッチコピー力の基本』でも、印象に残る表紙のコピーを
いくつか引用させていただいたギャル系ファッション誌『小悪魔ageha』。
なかなか真似ができない、とても力強いコピーはどこから生まれるのか?
その秘訣を中條編集長にうかがった。


中條寿子(なかじょう・ひさこ)さん
プロフィール
1978年、東京都台東区出身。和光大学卒業後、英知出版(現インフォレスト株式会社)入社。その後さまざまなギャル誌を経て2005年「Happie nuts」別冊編集長に。同年11月「小悪魔&nuts」1号目を立ち上げ、2006年6月に「小悪魔ageha」に改名。編集長として、キャバクラ嬢のバイブルと呼ばれる人気雑誌に育て上げた。











①表紙に普通の雑誌では見たことのない、使わないような「言葉」を入れる
どの雑誌も表紙は「この秋、○○が流行る」みたいな同じような字ばかり。
それだとおもしろくないので、普通は入れないような「言葉」を入れることにした。
それだけでもインパクトが出る。


:「鎧」「詐欺」「偽造」「肉」「病み」「闇」など
ただし、毎月入れるとそれはそれで飽きられるから、たまに入れる。





②読んでいるコたちが明確に「そうそう!」と思ってもらえることしか書かない
読者が思っていること(思っているんだけど言葉にできないようなこと)を
シャウト系でそのままに入れる。まわりくどい言い方をしない。


:「私たちは、人間じゃなくて人形になりたいの」





[雑誌の方向性が固まったコピー]
「生まれつきエビちゃんじゃなくたって、私たちは努力と一緒に生きていくんだ」(2007年10月号)





創刊からこの号あたりまでは、「本当のこと」を書いたら売れないんじゃないかってビビってた。
このコピーによって「私たちの世界じゃない人は、この世界に入ってこなくてもよい」、つまり「私たち」だけの世界を作ることにビビらない決意表明を読者に伝えたかった。
このコンセプトは忘れずに毎号どこかに形を変えて入っている。


:「生まれたときからかわいかったら、今のあたしはいなかった…」





③断言できることしか書かない。だから必ず断言する
「○○が流行るらしい」みたいなことはできるだけ書かない。
自分が自信をもって断言できることしか書かない。


④答えを最初に持ってくる
女のコはみんな面倒くさがり屋。答えが最初にあったほうが、わかりやすい。
結論を最初にもってこないと、何を言いたいページかがわからない。
見出しは、特集の内容の答えをきっちりまとめたものにする。


⑤読めないような漢字や英語は使わない
自分が読めない漢字や英語は読者も読めない。
だから極力使わない。


[5カ条以外の印象に残った言葉]
「例えば目を二重にするということであれば、読者は『自分の手』で二重にしたいんです。『自分の手』というところがポイントです。しかも、『あのコみたいな』が重要なんですよ。そういったポイントは外さない」


「読者の心をつかむコピーを考えようとするとき、『読者に憑依する』。といっても別人格になるわけではない。私自身がこうなりたいと思う気持ちがあることしか書けない。だから読者に憑依するといいながら、結局自分そのままの気持ちなんですけど(笑)」


「『毎号毎号なんで同じような記事ばかり載せるのか?』とよく聞かれるけど、まわりから見てるとそう思うかもしれないが、毎号毎号まったく違う。1カ月たつとアイラインの引き方とかもまったく変わってしまうから。だから、常に最新の情報を載せています。」


「編集長として、この雑誌を立ち上げようとしたときに、読者の気持ちをできるだけすくいあげるコピーを考えていたら、自然とこういうテイストのコピーになった」


「手帳にレイアウトを書いて、それを持ち歩きギリギリまでコピーを考える」





「雑誌のタイトルは、ホメ言葉(=小悪魔)と好きな言葉であり、夜に働く女の子を表わす蝶(=アゲハ)を組み合わせた」


「意地とかプライドはいらない。読者の気持ちがわからなくなったり、求めているものを創れなくなったりしたときは、その雑誌はなくなったほうがいい」


色紙の吹き出しのコメント(右下部分)
「好きなモデルややりたい髪色や欲しい服は人によって違うけど、唯一共通しているもの。それが『本当の気持ち』。『本当の気持ち』だけはみんな共有できる」(⇒なので、読者じゃない人がよむと、特に共感はできないかもです)



とっても女性らしいけど、男前な中條さん。
思わず大きくうなずいてしまう名言ばかりでした。
言葉の端々に、自ら創る雑誌への愛があふれていて、
こんなにも好きなことを仕事にできていて
本当に幸せなんだろうな、とつくづく思いました。
川上徹也




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『小悪魔ageha』中條寿子編集長が語る 読者に憑依して書く「キャッチコピー力の極意5カ条」とは?

更新日: 2010年 8月 23日| このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

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コメント / トラックバック3件

  1. 高川雄一郎 より:

    未曾有の国難に見舞われたこの時期に、人心を混乱させるような大袈裟な見出しで、不安を煽る記事を編集する奴が偉そうな事を言うな!
    尾木和晴、編集長としての責任は重いぞ。

  2. ともぞう より:

    「放射能がくる」
    「原発が爆発した」
    持てる能力を最大限,彼は何かの目的のために発揮しているのでしょう.私には理解できません.
    現在AERAのサイトは閲覧できない状態になっています.

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