日本で最もビジネス書が売れるという丸善・丸の内本店
そんな書店のビジネス書担当をしているのが田中大輔さんだ。
ビジネス書の最前線ともいえる現場で、
売れそうなのでプッシュするべき本か、売れなさそうな本か、
を瞬時に判断しなければならない。


今回はスピンオフ企画として、
書店員の立場から編集者に向けて、
よりよい本がたくさん出てくるためにも、
あえて、「期待値よりも売れない本」に共通する法則を語ってもらった。







田中大輔(たなか・だいすけ)さん
プロフィール
1980年千葉生まれ。文化服装学院卒。ユニクロで3年働いたあと、
転職を試みるも失敗。お金に困り始めたバイトが気づけば天職に。
オープン直後の丸善・丸の内本店に入り今年で6年目。
自己啓発書の棚担当から、契約社員となり現在はビジネス書フロアを統括している。
昨年、個人ではじめたツイッターが思わぬところで反響を呼んでいるらしい。





① 今売れている本のテーマに便乗する本は基本売れない
お客さんはバカじゃない。
明らかにベストセラーに便乗しているものはマネしているのがわかる。


②売れた本のパート2・続編・実戦篇等は思ったよりも売れないことが多い
内容的にどうしてもパート1より薄まったものが多くなる。
書店側は売れた本の続編ということで期待して並べるが、
実際は思ったよりも売れない場合のほうが圧倒的に多い。
前作を超えるものを楽しみにしている。


③1冊売れた著者が立て続けて出してくる本は必ずしもヒットしない
売れた本の著者が、他社からほとんど同じようなテーマや内容の本を
出すパターンも売れないケースが多い。
ビジネス書や実用書は、著者で選ぶ人は非常に少ない。
出版社は、著者に実績があると書店からの注文を取りやすいので
ついついそういった著者にオファーしがち。
しかし、店頭に並べてみると意外に売れないことが少なくない。
お客さんは、「テーマ」や「内容」で買っている。


+1 とは言っても、「これは売れないだろう」と思った本が売れることもよくある
こんなに何冊も見ていても、「これは売れないだろう」
と思う本が売れることはよくある。
もちろん商売なので、売れる本はどんどんプッシュしていく。


[3カ条+1以外の印象に残った言葉]
「毎日50~100冊が入荷してくる。その中で『なんだろう?』『これはいけそう!』とビビッとくるのは1冊もないことも」


「売れる本には、売れる面構えがある(ただ、それを言葉にすることは難しいが)」


「最近は装丁もタイトルもシンプルなものが売れる印象にある。あまりに狙いすぎると肩すかしも」


「本格的な本が売れ続ける傾向はしばらく続きそう」


「最近、お客さんは本を買うのに以前によりも慎重になっている気がする」


「ジャンル別の棚ではない、特設の棚は書店の特長を出しやすい。 
新刊・既刊含め、いい本が手に取られる可能性が高くなるので、
今後さらに力を入れていきたい」 





「売れたテーマや著者にみんなが飛びつくのは、出版業界全体としてもったいない
(無理矢理ブームをつくっても結局売れなくなってしまうだけだから)」


「編集者はもっと書店の現場を見てほしい。編集者が意図している棚に置かれるとも限らないので」


「この仕事は、仕掛けただけレスポンスがあるからおもしろい。それが全国的に広がっていくのもやりがいがある。単にうちの店で売れるだけでなく、自分がいいと思った本は数多くの人に読んでもらいたいから」


本には、人間と同じように、カバー、帯、タイトル、中身のすべてから醸し出される「面構え」がある。



ツイッターでのつぶやきが人気の田中さん。
一書店員を超えたキャラクターを感じる発言が混じるのが
こんなにも注目されている理由だと思う。
しかし今回語っていただいた内容はごくまっとう。
毎日、たくさんの本に接しているからこそ、
「志の高い本」を出版社につくってほしいという、
本への強い愛を感じた。
川上徹也




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川上徹也 ブログ
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丸善・丸の内本店ビジネス書担当・田中大輔さんが語る 「書店員から見た、期待値より売れない本に共通する3カ条+1」とは?

更新日: 2010年 10月 14日| このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをLivedoor Clipに追加このエントリをYahoo!ブックマークに追加このエントリをFC2ブックマークに追加このエントリをNifty Clipに追加このエントリをPOOKMARK. Airlinesに追加このエントリをBuzzurl(バザール)に追加このエントリをChoixに追加このエントリをnewsingに追加

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コメント / トラックバック3件

  1. 高川雄一郎 より:

    未曾有の国難に見舞われたこの時期に、人心を混乱させるような大袈裟な見出しで、不安を煽る記事を編集する奴が偉そうな事を言うな!
    尾木和晴、編集長としての責任は重いぞ。

  2. ともぞう より:

    「放射能がくる」
    「原発が爆発した」
    持てる能力を最大限,彼は何かの目的のために発揮しているのでしょう.私には理解できません.
    現在AERAのサイトは閲覧できない状態になっています.

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