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	<title>編集者.jp</title>
	<link>http://www.henshusha.jp</link>
	<description>あの本を作った編集者の哲学・仕事術</description>
	<lastBuildDate>Mon, 08 Mar 2010 05:36:51 +0000</lastBuildDate>
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	<item>
		<title>すばる舎　佐藤由夏さん＿最終回</title>
		<description>脳を活性化するチョコレート
――ご愛用のグッズを紹介していただけますか？


じつは、あまりこだわりがなくて……。グッズではないのですが、毎日、仕事前に欠かせないのは「チョコレート」です。これも一種の暗示なのかもしれません（笑）。


以前、勉強のために複数の勉強会やセミナーに頻繁に参加していた時期がありました。一種のセミナー中毒です（笑）。そのとき頻繁に参加していた、ある講師の方のクラスでは、いつも水とチョコレートが用意されているんですよ。
何故かというと、「脳に糖分やエネルギーを与えた方が脳がよく働くから」だそうです。


「どうやら、チョコレートは効くらしい」そう思って以来、チョコを一口食べて脳にエネルギーを与える、という行為自体が快感になってしまいました。
銘柄はLOTTEの「Ｇｈａｎａ　ミルクチョコレート」です。安くておいしいので毎日続けられるんです。とはいえ、大量に食べるわけではなく、多くても板チョコの横一列分、3、4カケラぐらいですが。







あとは一筆箋、便せんですね。ネコと花が好きなので、便せんもそうした柄が多いです。春夏秋冬、その時々の季節に合った便せんを揃えるようにしています。見ていると自分がホッとするので（笑）。















――今後のビジョンを聞かせてください。
現時点での理想を言えば、何年も読まれ、お役に立てる本をつくりたいです。とりわけ、教育書、心理学系の本の分野で。


大学生の頃に、『影響力の武器』（ロバート・Ｂ．チャルディーニ）を読んで刺激され、編集者になりたいという思いを強くしました。心理学というと、敷居が高い学問という感があったのですが、この本では、驚くほど身近な事例と絡めながら、実生活で使える心理学を紹介していました。とても斬新でした。著者の力量があるのはもちろんですが、編集者の意気込みを感じる一冊のように思えました。


こうした、画期的で面白い本を編集したい、という思いは変わりません。今後も、旧くて新しい理論や学説などに基づいて、新しい試みを続けていらっしゃる方々に積極的にお会いしたいと思っています。

ーーありがとうございました。 </description>
		<link>http://www.henshusha.jp/2010/03/08/yuka_sato-05/</link>
			</item>
	<item>
		<title>すばる舎　佐藤由夏さん＿その４</title>
		<description>既刊『誰とでも　15分以上　会話がとぎれない!　話し方　66のルール』
――『誰とでも15分以上　会話がとぎれない!　話し方　66のルール』の紹介をお願いします。


.amonya-box{padding:0;} .amonya-box *{margin:0;padding:0;}「誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール」&#160;[単行本]&#160;著者：野口 敏&#160;出版：すばる舎&#160;発売日：2009-07-21&#160;価格：￥ 1,470&#160;by ええもん屋.com

現在、47万部を突破しています。読者層は、女性と男性が半々ぐらいで、とりわけ20代の女性の比率が高いようです。反響の大きさに驚いています。
野口先生にご執筆をお願いしたきっかけは先生のブログです。


「会話下手な方に足りないのは話題ではありません」
「話し手は、あなたに反応を求めています。あなたの感じた気持ちを求めています」


まず、このフレーズに驚きました。なぜなら、自分の感じた気持ちを話すなんてことは、ほとんどしていなかったからです。


「話がつまらない人は『知識』を語ります」


「えーっ」心のなかで叫びました。なぜなら、ほぼこれしかしてこなかったからです。
「マズイ！　なんとかしなくては」と半ば、自身の会話スタイルを変えるために大慌てで企画を立てたという次第です。
長年、豊かなご経験とノウハウを蓄積されてきた野口先生とお会いできて、本当にラッキーでした。


――マーカー色の紫のカバーがパッと目に入りますね。
装丁家の石間さんには本当に感謝しています。会話に詰まると焦りますよね。そのおどおどしたニュアンスや、はじけるような元気感など、いろいろな側面を見事に表現していただいていると思います。
この吹き出しは、本文のイラストを担当していただいた草田さんに描いていただいています。やっぱり味がありますよね。花のようにも見えて、女性のハートをつかんだのかもしれません。
本を開いたときにすぐ目に飛び込んでくる、目次のイラストも効いていると思います。驚くほど大胆な構図！　「クスッ」と笑ってしまうネコの表情も最高です。カバーも本のイラストも、「最高に楽しい本ですよ」という世界観を読者に伝えてくれていると思います。


――佐藤さんが最も力を注がれたところはどこですか？
カバー周りや各見出しのコピーに「それが知りたかった！」「なるほど」と思えるコピーを散りばめたことです。なるべく、親しみを感じてもらえるように、導入部なども工夫しています。ふだんしていることなので、とりたてて新しいことではありません。

なお、原稿の精度が高いからこそいえることですが、編集しすぎなかったこともよかったように思います。以前は、編集しなくてもいいところまで手を入れてしまい、原稿の良さを削いでしまったこともありました。不遜でした。

読者の方が求めているのは、つじつまのあった整理整頓されすぎた本ではなく、明日から自分がどう変われるのかといった「リアルな変化」を体感できる本、エネルギーをくれる本のように思います。
そうした前進感があるかどうかを考えながら、構成を再考したり、見せ方を工夫したり、コピーにメリハリをつけたり、ときには、耳目を引く仕掛けをしてみたりといった編集をしたいと考えています。


裏に込められたストーリー

――キャラクターたちもかわいくて読みやすいですね。
新しい発見がある箇所には、目立つようにイラストを入れています。ちょっと大胆不敵に笑うネコや、ちょっと弱気な男の子と、お姉さん的な女の子が登場します。実はこのキャラクター、設定はドラえもんを意識しています。男の子はのび太役、女の子はしずかちゃん役をかぶせています。最終的には、片思いしていた男の子と女の子がおつき合いできるようになるんです。といっても、想像上の世界でですが。なんとなく、本書のなかでも、徐々に二人の距離が近づいていくんですよ（笑）。実はこの本の裏テーマは「婚活でも使える本」なんです。何となくリンクしていて面白いのではないかなと思っています。



（続く）

 </description>
		<link>http://www.henshusha.jp/2010/03/01/yuka_sato-04/</link>
			</item>
	<item>
		<title>すばる舎　佐藤由夏さん＿その３</title>
		<description>ブログで「面白い」と思ったら即アタック

――ふだん、どうやって著者を見つけているのですか。
そうですね。以前は雑誌や本が中心でしたが、現在はネットで探すことも多いです。
最近では、『まずは、「つき合う人」を変えなさい！』『「やり残しゼロ！」の仕事術60』『誰とでも15分以上　会話がとぎれない!話し方　66のルール』という本がそうです。ブログを拝見して「面白い！」と思ったのでお話しを伺いに行きました。


――決め手になった理由は何ですか。
たとえば、『まずは、「つき合う人」を変えなさい！』のときは、著者のHPに掲載されていた自伝的エピソードがとてもインパクトがあったからです。現在、何億も稼いでいらっしゃる方ですが、社会人としてのスタートは派遣社員だったそうです。手元にあるお金がわずか50円だけという貧乏を味わったり、信頼していた人にだまされたりするなど、過去を赤裸々に打ち明けていらっしゃいました。しかもとても情感のこもった語り口で。
そのとき思ったんです。ここまで裸になれる方って珍しいなと。



.amonya-box{padding:0;} .amonya-box *{margin:0;padding:0;}「まずは、「つき合う人」を変えなさい!」&#160;[単行本]&#160;著者：山本 亮&#160;出版：すばる舎&#160;発売日：2009-09-18&#160;価格：￥ 1,470&#160;by ええもん屋.com



一方、成功している現在のブログの語り口は、とても穏やかで別人のようです。なぜ、こんなふうに変貌されたのか興味がわきました。「ぜひその理由を知りたい」そう思い、お話しを伺ったところ、やはり読者が求めている感性、ご経験、人生観をお持ちの方だと直感しました。

ブログの文章に、読む人を一定の考え方に誘導するような操作性を感じなかったのも新鮮でした。ブログを読む方に対して「同じ轍を踏まずに頑張って欲しい」こんなメッセージを送っていらっしゃるように思い、素敵だなと感じました。


――なるほど、読者への応援メッセージが詰まっていたのですね。

はい、そうなんです。原稿のご執筆時も、何を伝えたいかだけでなく、読者にどう伝わるか、どう響くかについて徹底して考えていらっしゃいました。読者の目線に合った、温かいメッセージが詰まった本になっていると思います。読者層も20代〜50代の幅広い方に手にとっていただいています。現在、5刷目までいっており、今後も売れ続けて欲しい一冊です。




未来に希望を感じられる本をつくっていきたい

――最近注目していることはありますか？

最近というと、すぐにパッと思いつかないのですが……。
実は、いつも心のどこかに留めおいているのは、時代の病（やまい）的なものはなんだろう、それを変える手だてはないか、という視点です。様々なメディアで情報を得たりするときも、そうしたことに意識が向かっていると思います。

ずっと気になっているのは、何故この国では、「自死率」が多いのだろうということです。2009年段階のＷＨＯの発表では、世界で6位。欧米先進国、及び中国や韓国と比べると、1位の自死率だそうです。しかも自死未遂の方は、公表されている人数の10倍はいらっしゃるそうですね。

自死を選んだ方の苦しみははかりしれませんし、その方と縁のあった方々も、深い悲しみと喪失感を感じながら生きていくことになります。とてもつらい、悲しい連鎖です。ときには立ち上がる気力を失ってしまうときもあるのではないでしょうか。

なぜ、こんな悲惨な状態になっているのか。どうしたら、その現状を変えられるのか。どうすれば未来に希望を見いだせるようになるのか。編集の仕事でできることはわずかですが、その一翼を担う本をつくりたい。そんな思いが無意識的ではありますが、いろいろな企画を考えるバックボーンにあるような気がします。






アイディアは「病的なもの」から生まれる

——企画を生み出すコツを教えてください。

自己啓発書をつくるときは、自分の中にある「病（やまい）的なもの」をじっくり観察することが多いです。あるいは、ある特徴的な人を観察して、「なぜこんな行動をとるのか」を考えてみたりして、企画の切り口を探しています。
もちろん、いろいろな方の話を聞いたり、講演会やセミナーに参加してアイディアが生まれてくることも多いのですが、これまで当たった企画の多くは、ふだん自分のなかで、じっくり時間をかけて育っている（笑）「病的なもの」を言葉にしたときなんです。

「病的なもの」といっても、何らかの病名がつくような大げさなものではありません。
例えば、ずっと前に言われたひと言に傷ついて、5年以上恨みがましく思っていたりする、こんな心理状態を「病的なもの」と名づけています。
とはいえ、深く傷ついて立ち直れないほど重いものでもないんです。
とにかく何年も愛おしむように、じっくりその思いをかみしめて手放さないでいる、もう一人の自分がいるわけです。いじらしいなと思います。基本的にどんなことでも、「ネタになる！」と思っていますので、日々サンプル体が育ってくれるのは、まあいいことかなと思っています。

15万部を突破した『人は「暗示」で9割動く！』もそんな一冊です。ちょっとした言葉、出来事にも影響を受けてドギマギしてしまう自分がいるんです。でもこれって、意外と普遍的なテーマではないかと思って企画しました。
もともと催眠療法で使われている「暗示」という言葉に興味をもっていました。でも、日本では「暗示」そのものについてわかりやすく説明してくれている本が少なく、催眠療法家の方向けの専門書のなかで、「暗示的示唆」の方法を紹介しているぐらいでした。もっと深く知りたいと思ったのも事実です。



.amonya-box{padding:0;} .amonya-box *{margin:0;padding:0;}「人は「暗示」で9割動く!」&#160;[単行本]&#160;著者：内藤 誼人&#160;出版：すばる舎&#160;発売日：2007-03-06&#160;価格：￥ 1,470&#160;by ええもん屋.com



――もともと、興味をもっているキーワードでもあったんですね。

はい。そうなんです。


――企画を生み出すときに役に立った本はありますか。

企画というのが、本のタイトル、切り口、コピーという意味では、私を育ててくれた原点の本は、ジェームス・Ｗ.ヤングの『アイデアのつくり方』です。入社1〜3年ぐらいは、面白い企画がなかなか思いつかず、毎回ウンウン唸っていました。
そのときもでも意識的に『アイデアのつくり方』で書かれていた方法を試していました。企画の方向性をぼんやり思いついているけれど、決め手となるコピーが見つからない。こんな時に、関係する書籍、新聞、雑誌、ネットなどをダーッと大量に読んで、しばらく寝かす。その後、コピーを連打する。
これを繰り返していったら、あるときスッといいコピーが出てきたんです。「よしっ」と手応えを感じた瞬間です。本当に嬉しいものですね。この間、上司の絶え間ない指導があったことは言うまでもありませんが。その後も、簡略化した形で続けていき、今に至っています。現在でも、「いまは情報をインプットしている状態だな」「いまはアイデアを寝かしている状態だな」と意識していることも多いですが、無意識のうちに頭の中で作業が続行している状態の時などは、スッとコピーが出てくることもあります。脳ってすごいと思います。



.amonya-box{padding:0;} .amonya-box *{margin:0;padding:0;}「アイデアのつくり方」&#160;[単行本]&#160;著者：ジェームス W.ヤング,今井 茂雄&#160;出版：阪急コミュニケーションズ&#160;発売日：1988-04-08&#160;価格：￥ 816&#160;by ええもん屋.com



（続く）

 </description>
		<link>http://www.henshusha.jp/2010/02/22/yuka_sato-03/</link>
			</item>
	<item>
		<title>すばる舎　佐藤由夏さん＿その２</title>
		<description>売りが伝わるコピーを考えること
――本を作るうえでのこだわりはなんですか？

本を買った方にはぜひ、得をしていただきたいと思っています。そのためには、まず、本の存在に気づいていただかないことには始まりません。

成長に役立つメッセージが、「この本には確実にありますよ」ということをお伝えしたいんです。「この本、最高です！」と伝えきれるような「売り」がズバッと伝わるタイトル、見出しなどのコピーを考え続けようと思っています。


新しいことを実践している方を見つけたい
もう一つ目指しているのは、ある分野の中で、新しいこと、面白いことを「実践」している著者の方を探すことです。『7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる』の深谷圭助先生も、そのお一人です。


.amonya-box{padding:0;} .amonya-box *{margin:0;padding:0;}「7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる」&#160;[単行本（ソフトカバー）]&#160;著者：深谷 圭助&#160;出版：すばる舎&#160;発売日：2006-09-21&#160;価格：￥ 1,575&#160;by ええもん屋.com


公立小学校で、小学1年生に国語辞書を使わせるという、カリキュラムに組み込まれていない授業を実施して、成果をあげるという快挙を成し遂げていらっしゃいました。
「低学年で辞書を使う」という取り組みを提案している先生は他にもいらっしゃいましたが、当時、辞書に触れるのは早くても3年生から。1年生に辞書を使わせ続けることは、並大抵のご苦労ではなかったように思います。それでも深谷先生は貫かれたんです。
その期待に、子どもたちが見事に応えるんですよ（涙）！　
大人たちが考えた「1年生の学び方」なんていう型にはまった貧弱なイメージを一気に塗り替えました。なんと数冊の辞書を読破して、果ては広辞苑にまで手を伸ばす子どもまで現れたそうです。「子どもを型どおりに教育すれば伸びる」などという教育観を根底から覆してくれる、一大事件ではないかと思います。

――新しい取り組みをしている方を発掘されたんですね
そう言っていただけると嬉しいです。とはいえ、先に『小学校１年で国語辞典を使えるようにする３０の方法』という本を執筆されていらっしゃいますので、全てが新しい切り口の本というわけではありません。違う点は、読者対象を先生方ではなく、お父さん、お母さんに変えたことです。
この本の出版後、ひそかな「辞書引きブーム」がおきまして、朝日新聞社さんを始めとした各新聞社さんや、テレビなどのメディアで取りあげていただきました。読者の皆様からも喜びの声をいただいたり、実際に小学生向け辞書の売り上げが伸びたりと、さまざまな反響が返ってきたんです。家庭学習の分野は、開拓の仕方しだいで、面白い変化の波を起こせる分野だなと思いました。


（続く）

 </description>
		<link>http://www.henshusha.jp/2010/02/15/yuka_sato-02/</link>
			</item>
	<item>
		<title>すばる舎　佐藤由夏さん＿その１</title>
		<description>第17回目にご紹介するのは、
すばる舎の佐藤由夏さんです。

『7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる』や
『誰とでも 15分以上 会話がとぎれない!話し方 66のルール』

など多数のヒット作をご担当されています。

とっても気さくで、何事もすぐ行動する素敵な女性です。
笑い声が絶えないインタビューの中で、ご自身の経験とその哲学を語っていただきました。



本一冊を買っていただくことの重みを痛感

――出版業界に入られたきっかけはなんでしたか？
教育業界か出版業界のどちらかで働きたいと考えていました。でも、大手どころの出版社を4社受けたのですが落ちてしまい、「こりゃダメだ」と諦めました。その後、ご縁があって広告・イベント会社で営業職に就きましたが、編集者になることを諦めきれず、２年目の冬に再チャレンジしました。

 ――営業職から編集職への転換はどうでしたか？
営業経験はすごく生きています。いろいろな意味で。
お客様は自分には必要ないと思う商品には、１円だって出してくれませんでした。商品を品定めされるお客様の、あの真剣で厳しい眼差し……、忘れられません。もちろん、買っていただき、喜んでいただいたときの笑顔もですが。

単行本の多くは1000円以上もする高価な商品です。読者の皆様にトコトン役立つものでなければ、手に取っていただき、買っていただくことは不可能だろうと思っています。あんまり優秀な営業ではありませんでしたので、売れないことへの恐怖心と羞恥心だけは人並み以上に育っていると思います（笑）。

編集の仕事を始めた頃は、厳しいお客様の顔を思い浮かべながら、「あの方にこの本を買っていただくには、どうしたらいいだろう」などと考えながら、あれこれと本の売りをつくる工夫をしていました。
たとえば、見出しを考えるときも、聞き慣れたきれいな言葉よりも、ちょっと泥臭いけどリアルな言葉、気づきの詰まった言葉、出会えて良かったと思える言葉を探していました。まったく、こちらに関心をもってくれない人でも、ハッと振り向いてくれる言葉を探していたのかもしれません。

――営業経験が武器となっているのですね。
あの売れない恐怖から逃れたくて頑張れるという意味では武器なのかもしれませんね（笑）。お客さまの話をじっくり伺ってみると、問題に対して真剣に悩んで、解決したいと考えていらっしゃった方々も少なくありませんでした。読者の皆様も、きっとそうした方々なのではないかと思います。実際にお会いすることはできませんが、そうしたお一人おひとりの真摯な希望、切望、熱望をなんとなくではありますが、体感できるようになったことは、本当の意味でお役に立てる本作りをするうえで生きていると思います。


大切なのは「私」ではなくて「読者」

――新人時代のエピソードを聞かせてください。
振り返ると反省だらけです。向こう見ずな生意気新人だったので、上司にむかって「私は●●だと思います」「そんなのおかしいと思いますよ！」などと一方的な主張を繰り返していました。もちろん、著者の方にも平気で自分の考えを押し付けていたので、スムーズに意思疎通が図れなかった時期がありました。

その姿勢を見直すきっかけになった一言がありました。女性向けの読み物の本を編集していた時ですが、ある表現について「この表現だと△△という印象を受けます。別の表現に変えていただけませんか」なんて著者にお伝えしたところ、「佐藤さんの感じ方なんかどうでもいいんだよ！大事なのは、読者がどう感じているか、なんだよ！」とお叱りを受けました。それで目が覚めました。

大切なのは「私」ではなくて「読者」なんですよね。読者の代表者のつもりでいましたが、本当のところは怪しいものです。しかも、我を押し通すことに夢中になって、著者の方が本当に伝えたかったことは何だろう、などと考えることすらしなかったんです。勢いだけで仕事をしようとしていました。

――出版業界に入られてギャップを感じたことはありますか？
思い描いていたのは、作家さんと談笑をしたり、お酒を飲んだりしながら、颯爽とかっこよく仕事をしている女性編集者のイメージです。
でも、実際にはほど遠いです。私の場合は気力、体力、根性勝負です。髪を振り乱しながらでも、とにかく「売れる本」にするために諦めない、粘る、しつこい編集をしているところが、憧れのイメージとかけ離れています（笑）。

要領が悪いので、一度受けた説明を忘れてしまったり、へそ曲がりなのでこっそり別の方法を試してみたりして、やらなくてもいい失敗もたくさんしてしまいました。いろいろなチャンスを与え、失敗を許容してくれた上司、会社に感謝しています。

（続く）

 </description>
		<link>http://www.henshusha.jp/2010/02/08/yuka_sato-01/</link>
			</item>
	<item>
		<title>三笠書房　清水篤史さん＿最終回</title>
		<description>待望の新刊！

――新刊について紹介してください。

『頭のいい質問「すぐできる」コツ』を１０月（２００９年）に、『頭がいい人の10倍パソコン術』を１１月（２００９年）に刊行しました。それぞれ、よく売れた『頭のいい説明「すぐできる」コツ』と『たった３秒のパソコン術』の第二弾企画です。これから第三弾、第四弾とシリーズとして続けていって、それを会社の一つのブランドにつなげていきたいという思いで作りました。



頭のいい質問「すぐできる」コツ (知的生きかた文庫)posted with amazlet at 10.02.01鶴野 充茂 三笠書房 売り上げランキング: 2700Amazon.co.jp で詳細を見る



『頭のいい質問「すぐできる」コツ』は、目の前の相手と理解し合いたいという思いはあるのだけれど、テクニックが不足しているために、誤解を生んでいることが結構あるのではないか、という考えから生まれました。想定読者を３０代のビジネスパーソンに絞り、先程お話しした「読んですぐわかる、すぐできる」を意識して本づくりをしました。第二弾企画の難しいところは、第一弾に似すぎず、違いすぎず、という匙かげんでしょうね。

――前回の『頭のいい説明「すぐできる」コツ』と違うところはどこでしょうか？
「自分は説明が下手だな」と思う人はたくさんいると思いますが、「質問が下手だな」と思う人はそんなにたくさんいないと思います。その意味で「説明」より「質問」のほうが難易度が高いんでしょうね。レベルの高いテーマを扱っているので、いかに読者目線でわかりやすく説明するかというところに神経をそそぎました。

たとえば「なぜ？」「なぜでしょうか？」という質問はあまりいい質問ではないという項目があります。「なぜ失敗したんだろう？」と質問するよりは、「失敗した最大の原因はなんだろう？」といったように、「相手が考えやすくなる質問」がいいわけですね。ただ、そう書いただけではわかりにくいので、具体例をたくさんあげて、ビフォー、アフターを比較できるようにして、読者が「質問の効果」がすぐわかるような構成にしています。

――うまく説明や質問をするって、できそうでできないことですよね。
その「できそうでできない」というのがポイントだと思います。読者は自分が「絶対できない」ものについての本は、さほど必要としていないと思います。でも、「できそうでできない」というのが一番悔しいし、本を読めばなんとかなるかもと思いますよね。



頭がいい人の10倍パソコン術―できる人は「たった3秒」を有効に使うposted with amazlet at 10.02.01中山 真敬 三笠書房 売り上げランキング: 12211Amazon.co.jp で詳細を見る

――『頭がいい人の10倍パソコン術』はどうですか？
これは、本作りのモットーである「読んですぐわかる、すぐできる」を形にしようとした本です。一番こだわったのはタイトル、サブタイトル、帯コピーでいかに即効性を訴求するかという点です。このような本を買う人はパソコンが苦手な人が多いと思うんですよ。タイトルで「パソコン」という文字を見ただけで、腰が引けるということもあるはずです。だから『できる人は「たった３秒」を有効に使う』という、パソコンが苦手な人でも安心できるような文言を、あえて表紙にもってきました。帯にも「仕事も効率も満足も１０倍になるんです！」という即効性を謳ったコピーを入れました。シンプルな表現を使うことで、読者に親しみやすさも感じていただけると思います。


働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」posted with amazlet at 10.02.02稲盛和夫 三笠書房 売り上げランキング: 360Amazon.co.jp で詳細を見る

――「単行本で担当された稲盛和夫京セラ名誉会長の『働き方』については どうですか？」
この本は、ある意味、プロダクトアウト型の発想で生まれた企画ですね。これまでお話したマーケットイン型の企画スタンスとはちょっと違います。バブル経済が崩壊して、長期不況が１０年にも及んだあたりから、日本人の人生観、労働観が大きく変化してきたように思います。その過程で、高度経済成長期には美徳とされていた「汗をかいて働く」ことが疎んじられるようになり、「労せずして大金を得たい」という風潮が強くなってきたように感じます。ただ、そういった価値観の変化が人間を幸せにしているようには決して見えなかった。そのような時代状況に生きるビジネスパーソンに対し、京セラの稲盛和夫名誉会長に、「なぜ働くのか」「いかに働くのか」という「働くことの意義・原理原則」をわかりやすく説いていただこう──というのが、この企画の起点でした。この４月（２００９年）に刊行して以来、着実に版を重ね、御蔭さまで、現在１２万部を突破しています。



愛用のホッチキス　ー主力のビジネスツール

――愛用のグッズを紹介していただいてもいいですか？

このホッチキスは学生のアルバイトの方から１０年ぐらい前にいただいたものです。就職されて辞められるときにいただいて、それ以来僕の愛用品になっているんです。

[caption id="attachment_1528" align="alignleft" width="250" caption="フラットクリンチホッチキス"][/caption]

これは「フラットクリンチホッチキス」といって、ベーシックなホッチキスとは少し違うんですよ。束が少し分厚くてもとめられるんです。２５枚ぐらいなら平気でとめられますね。仕事を進める上で手放せません。


――それを使ってどのようにお仕事を進められているのですか？
もちろん、パソコンの画面上でも仕事をしますが、僕はアナログ派なので、実際に紙で原稿をチェックする機会が多いんです。そしてわかりやすいようにゲラを１章ごとにホッチキスでとめています。ですから、僕の今の仕事の進め方にはとってもぴったりなツールですね。もしくは、彼がこのいいホッチキスをプレゼントしてくれたことによって、そういう仕事の進め方になったのかもしれません。非常に重宝しています。

機能性という理由だけではなくて、僕は人からいただいたものは大切にするんです。なぜなら、人からいただいたものを使うと、その人のお力もお借りできるんですよ。何かしら思いがおありにあって僕にプレゼントしてくれたわけですから、その思いを仕事に生かせればと思っているんです。



面白がれば面白くなる！

――清水さんの今後のビジョンを聞かせてください。

仕事は楽しんでやる、それに尽きます。楽しくなければいい本を作ろうという情熱もわきません。楽しめるかどうかは自分次第です。だから、楽しがる。つらいときも、面白がれば、面白くなるんですよ。あと、先日、ある著者の先生から「今後、不景気で１２００円の本を買う人は今後減るかもしれないが、だからこそ６００円の本を２冊買う人は増えていくかもしれない」といった一見矛盾する読者の購買心理のお話をお聞きしました。今後は、価格とテーマの組み合わせといったものも考えていきたいですね。

――ありがとうございました。
 </description>
		<link>http://www.henshusha.jp/2010/02/01/mrshimizu05/</link>
			</item>
	<item>
		<title>三笠書房　清水篤史さん＿その4</title>
		<description>理解不可能な本こそが原動力
――普段気をつけていることはありますか？

編集者としての基本ですが、書店には定期的に足を運ぶようにしています。ウィークデーはなかなか時間がとれないので、週末に書店にリサーチに行きます。

もちろんネットから書籍の情報を入手することもできますが、やっぱり本はアナログの物体ですから、実物を触って中を広げて見ないことにはイメージできません。そして本の装丁を考えるときも、その本単体のデザインだけではなくて、書店でどんな本に囲まれて並ぶか、というバランスも重要になってきますから、売り場には頻繁に行きますね。

書店に行くと斬新な本をたくさん目の当たりにします。装丁の使い方、タイトルなど、中には理解不可能なものもあります（笑）。でも、そういった理解不可能なものが僕の原動力にもなるんです。「こんな発想があるのか！」と焦るんです。そうすると、僕はせっかちなのですぐ仕事をしたくなるんですよ（笑）。そうやって自分を追い込んでいるのかもしれません。


責了日まで諦めない！
――ベストセラーに法則があるとすれば、何だと思われますか？
それに即答できれば、実際の仕事で苦労をしなくてもすむんですが。法則なんかないんじゃないですか。ただ、ベストセラーを生み出している編集者と話していて感じるのは、例外なく情熱的な方ばかりですね。彼ら、彼女らのお話を聞いていると、ベストセラーは「編集者の情熱」からのみ生まれるように思います。つまり、情熱のある編集者はベストセラーを出すし、ベストセラーは情熱のある編集者が編集をするということですね。

――情熱とは何でしょうか？
情熱とは、その本について、著者よりも誰よりも、一番真剣に深く考えているということだと思います。僕の中で「責了日までは諦めない」という標語があるんですよ。著者の先生は原稿を書いたら、もしくはゲラを戻したら終わりですけど、編集者は終わりではないんです。いくら会社がOKを出しても、著者がOKを出しても、僕は責了直前の最後まで考えます。本は最後の最後までどうなるかわからないし、逆に言えばどうにでもなるんです。もしかしたら、直前になって帯コピーのいい文言が浮かぶかもしれない。読者のニーズにもっと近づけるコピーが浮かぶかもしれない。

――責了日まで考えることが尽きないですね。
僕がまだ若い頃、同じ年代の編集者が何人か集まって仕事の話をしたことがあるんです。そこで、「本のタイトルが決まった後、どこに一番力を入れるべきか」という話になったんですね。「俺は前書きだな」とか「俺は帯コピー」「いや、冒頭の一行だ」などなど、みんないろんな意見を言っていたわけです。僕は「見出しですね」と言ったと思います。そして、その日から何年も経ったあとに、ようやく答えのようなものがわかったんですよ。それは、その話し合いで出た、すべてのことなんです。どれか一つではなくて、その全部に力を入れることが情熱のある編集者なのだと思います。本というものは、工夫をこらせばこらすほどいいものになると僕は考えています。そして、その本についてそこまで真剣に考えるのは担当編集者しかいないですよ。本作りに終点はないのでしょうね。


（続く）

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		<link>http://www.henshusha.jp/2010/01/25/mrshimizu04/</link>
			</item>
	<item>
		<title>三笠書房　清水篤史さん＿その３</title>
		<description>１つでも多くの意見を出す
――本作りをする上で意識していることはなんですか？

「１つでも多くの意見を出すこと」でしょうか。僕がまだ３０歳くらいのときの話ですが、ベテランの校正者の方に「校正者の能力はどこでわかると思うか？」という問いかけをされたことがあります。

その答えは「校正者の能力は赤字の量に正比例する」。「同じ原稿を読んでも、優秀な校正者が読めば赤字は多いし、そうでない校正者が読めば赤字は少ない」とおっしゃっていました。そこであまのじゃくな僕は「でも、出来のいい原稿だったら、校正者の優劣に関係なく、赤字の量は少ないんじゃないんですか？」と聞いたんです。すると「優秀な校正者は赤字を見つけ出すんだよ」と言われました。

そして次に「優秀な編集者はどこでわかるのか？」と問いかけられたのです。すると、答えはずばり「編集者の能力は意見の量に正比例する」。「なるほどな」と思いました。企画に対する意見、タイトルに対する意見、著者に対する意見、装丁に関する意見などなど、意見の数が多いということは、それだけ「考えている」ということですからね。当然、「引き出しの数」も増えるし、「理想的な答」にも近づく。ですからそれ以来、一つでも多くの改善点を見つけて、まず自分自身に意見を言うようにしてきました。

僕は、編集者の意見は「本づくりの起点」だと思います。ただ、その起点がどちらの方向に行くかを決めるのは編集者だけではない。理想的な本づくりをするには、著者、上司、同僚、デザイナーなどなど、複数の人たちの意見を通過させるべきですよね。その中でも、担当編集者が一番最初にテーゼ、こだわりと言ってもいいでしょう。意見を出すべきですよね。それに対して「いいね」と言われるときもあれば、時には「それよりも、こうなんじゃないか」というアンチテーゼが返ってくることもある。それを揉んでいくと、より「理想的な答え」、つまり、ジンテーゼに昇華されるわけです。


朝令暮改できるスキル
――編集者に向いている性格は？　また編集者が持っておくべきスキルなどありますか？
編集者に向き、不向きはないと思います。だいたい僕は１つの物差しで人を測るというのは好きではないんです。人様々なので、いろんなタイプの編集者がいると思います。スキルについて言えば、「朝令暮改できるスキル」というのは必要かもしれません。先程、こだわりについて話しましたが、編集者としてこだわりを持つことはとても大切だと思うんですよ。でも、それと同じくらい、「こだわりを捨てるこだわり」も必要だと思います。言い換えると、本のために「人の意見を聞けるスキル」ですね。

例えば、一昨年の文庫ベストセラー『たった３秒のパソコン術』は朝令暮改の一例と言えるかもしれません。この本は２色刷りで、一般的に２色刷りの場合は、見やすく、やわらかい印象になるという理由から、マゼンダ（赤）など、暖色系を使うことが多いんです。そこで、僕は「マゼンダ（赤）を使います」と著者の中山先生に確認したところ、「シアン（青）でいきたい」とおっしゃったんです。なぜかというと、電車の中で本を読むとき、マゼンダ（赤）だと隣の人が反射的にチラッと見るので、本に集中できないとおっしゃるんですね。「なるほど」と思いましたね。本が好きな人は、本を読んでいる時間は自分の世界に入り込みたいという方が多いと思います。そこで「シアン（青）でいきたい」という新鮮な意見をいただき、“朝令暮改”したんですよ。


.amonya-box{padding:0;} .amonya-box *{margin:0;padding:0;}「たった3秒のパソコン術 (知的生きかた文庫)」&#160;[文庫]&#160;著者：中山 真敬&#160;出版：三笠書房&#160;発売日：2008-04-21&#160;価格：￥ 630&#160;by ええもん屋.com


つまり、大切なのは、「どうやったら自分の意見を通せるか」ではなくて、「どうやったら読者に喜ばれるか」ということなのです。ですから「これは違うんじゃないか」と言われたら、僕はコロっと意見を変えるときもありますよ。よく「気が変わるの早いね」などと言われるんですけど、それは真っ当な意見、読者に役立つ意見に納得しただけなんですよね。「読者のために反対意見を受け入れられる人」こそが、読者目線に立てる人ではないでしょうか。


（続く）

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		<link>http://www.henshusha.jp/2010/01/18/mrshimizu03/</link>
			</item>
	<item>
		<title>三笠書房　清水篤史さん＿その２</title>
		<description>指示型から提案型へ - これが仕事の流れを変えた！
――新人時代のエピソードを聞かせてください。

時代の風潮かもしれませんが、当時、僕の上司は、「本作りにおいては、編集者が一番最初にテーゼ、つまり命題なり意見なりを出す」という考え方を持っていました。

それをふまえて、まずは編集者が見本原稿を書くということをやっていたんです。見本原稿とは、編集者がはじめに第一原稿を書いて、著者に僭越ながら「このように書いてほしい」と、その名の通り見本になるよう原稿のことです。自分なりの最高のものを上司に見せて、上司の確認がとれたものを著者に見せるわけですが、たいがい「これが見本か！」となじられるんですよ。その度に、自分が会社や著者の要求に応えられていないな、という悔しさを感じていました。それが僕にとって一番最初の大きな壁でしたね。

ところが、なじられているうちに、こちらも要領が掴めてくる。いろんなことが見えるようになってくる。僕は最初から１００点満点の原稿を持っていこうとしていたんです。「このように書いてください」というスタンスで、著者の先生に原稿を見せていたわけです。ここが間違いだったんですね。

理想的な見本原稿とは、「読者はこういう原稿を読みたがっているんです」ということを著者の先生に伝えるものなんです。つまりは"指示型"の見本原稿ではなくて、「こういう原稿を読んでみたい」という"提案型"の見本原稿にするべきだと気づいたんです。例えば、見本原稿だからといって、原稿を全部は書かないようにする。「ここに、読者の指針とするべく、先生がお考えになる、現代の２０代サラリーマンの最大の長所と最大の欠点を一つずつお書きください。」などと、大筋の方針だけ書いておいて、あとは空欄にしておくのです。すると著者の先生も原稿を書きやすくなるんです。

見本原稿を"提案型"に変えた途端、仕事がスムーズに進むようになりました。ついこの間まで僕をなじっていた著者の方が、すごくのってきてくれて、「君がこういう切り口で考えるのなら、こういった内容を入れてみてはどうか」などと、積極的に提案をいただけるようになりました。こちらからテーゼ、意見を問うことで、モチベーションを高く維持していただけたのだと思います。


「読んですぐわかる、すぐできる」
――本を作る上でのこだわりはなんですか？
「読んですぐわかる、すぐできる」をモットーに本作りをしています。現在の書籍文化の一つの源をおつくりになった神吉晴夫・光文社第２代社長の「神吉イズム」を、若い頃はずいぶんと教えられました。その神吉氏の言葉に「すべての本は実用書である。小説でさえも実用書である」というものがあります。最近は、この言葉をかなり意識していますね。それで「読んですぐわかる、すぐできる」。ただ、「読んですぐ理解できる」というのは当たり前です。さらに「すぐできる」というのがポイントになる。例えば歴史の本を作るときでも、「すぐ理解できる」という教養書としての側面に加えて、「すぐできる」という実用書としての側面も意識しています。その実用性とは「ただの会話のネタになる」といったレベルでもいい。読者にとってすぐ実践できるという方向性で作っています。

――「読んですぐわかる、すぐできる」本とはどのようなものですか？
「すぐわかる、すぐできる」なので、結論から入ることを常に意識しています。文章の起承転結という言葉がありますよね。僕の想定読者層を考えると、「起承転結はちょっとまどろっこしいかな」と思うのです。現代の読者は時間に追われていて、答えを早急に知りたがっている方が多いので、「大切なことは始めに書く」を意識しています。それが「すぐわかる」原稿につながると思います。それについてはまさしく、昨年の文庫本ベストセラー『頭のいい説明「すぐできる」コツ』にも書いてあることと一致します。


.amonya-box{padding:0;} .amonya-box *{margin:0;padding:0;}「頭のいい説明「すぐできる」コツ―今日、結果が出る! (知的生きかた文庫)」&#160;[文庫]&#160;著者：鶴野 充茂&#160;出版：三笠書房&#160;発売日：2008-11-20&#160;価格：￥ 600


内容的にも「ワンニーズ、ワンテーマ」を意識して、できるだけシンプルな本作りをすることを心がけています。今は一冊の本に対する購読ニーズがはっきりとしていて、著者の魅力を一冊で全部知ろうという人はあまりいないと思うんです。ですから、無理に著者の魅力をすべて詰め込もうとするのではなくて、ポイントを絞って読者ニーズをしっかりと満たすことを第一義に考えています。


（続く）

 </description>
		<link>http://www.henshusha.jp/2010/01/12/mrshimizu02/</link>
			</item>
	<item>
		<title>三笠書房　清水篤史さん＿その１</title>
		<description>


第１６回目にご紹介するのは、
三笠書房の清水篤史さんです。

『頭のいい説明「すぐできる」コツ』、
『たった３秒のパソコン術』

などのヒット作を多数ご担当されています。

ベテラン編集者ならではの広い見解と
深い哲学をお伺いしました！



大切なのは「目の前にはないもの」

――編集者になられて何年目ですか？
約２０年になります。

――編集者になろうと思ったきっかけはなんですか？
もともと「本好き」で、学生時代から「本作りに携わりたい」という漠然とした思いがありました。ただ、自分は性格的にも能力的にも作家でなく、作家と読者を結びつける「橋」とも言うべき編集者に向いているだろうと、勝手に思っていましたね。しかも、作家と読者をただ「結びつける」のではなく、原稿に付加価値を加えて、その「出会い」をさらに有意義なものにしたいと、生意気なことを考えていた覚えがあります。

――どんな本を作りたいと思われたのですか？
いきなり大上段に振りかぶって恐縮ですが、学生時代、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を愛読していたんですね。この一冊によって「書籍の持っている可能性」に目覚めたと言えます。当時、僕は純真な青年だったので、影響を受けやすかったのでしょう。この小説、１９世紀ロシアのある田舎町を舞台に、縦横無遇に多種多様なストーリーが目まぐるしく展開するんです。とにかく濃い。さらにテンションが高い。一冊の本の中に、「保守と革新」「聖的なものと悪魔的なもの」「親と子」「兄と弟」「男と女」、それぞれの対立、相克、愛憎などなど、これでもかと言わんばかりにたくさんのテーマが入っているんです。

で、読んでいるうちにふと思ったんです。この小説、きっと、いつの時代の、どの世代の人が読んでも、必ずどこかに「自分の問題」を見つけることができるはずだと。つまり、誰が読んでも「共感できる部分」が一つはある本だと思ったんです。『カラマーゾフの兄弟』は文学ですが、文学でなくても、このようなスケールの大きな本を作れないだろうかと、そんなとんでもなく生意気なことを考えていましたね。平たく言えば、親でも子でも、男でも女でも、どんな人が読んでも面白いと思ってもらえるような、そんな本作りがしたいと思っていたわけですが。

――学生時代はどんなアルバイトをされていましたか？
家庭教師から始まって、水泳のコーチ、参考書会社のアシスタントなどなど、いろんなことをやってましたね。中でも、コンビニエンスストアのアルバイトは印象に残ってます。影響を受けやすかったのでしょう。実際、コンビニのアルバイト体験は現職にとても役立っていると思います。一言で言えば、「お客さん目線」、つまり「読者目線」で考えるということ。「売りたいものは売れない。買いたいものが売れる」といったことを勉強させていただきましたね。

書籍編集というのは、ある意味、孤独な作業が多く、仕事の過程で「書店さんの売り場」や「読者の顔」が見えなくなってくることがあるんですよね。そんなとき「お客さん目線」「読者目線」で考える。「自分が売りたいもの」でなく「書店さんが並べたいもの」「読者が買いたいもの」をイメージしてみる。具体的には、今、自分が作っている本が、書店さんのどのコーナーに、どんな本の隣に並ぶのか。さらには、その本を見た読者はどう感じるかをイメージしてみるんです。すると、結構、軌道修正ができるときがあるんです。典型的なマーケットイン型の発想ではありますが。

そしてもう一つ、この体験では、「目の前にないものを考える」「目の前にないものを探す」ということを学びました。僕がお世話になった店長はとてもアグレッシブな方で、「一番売れる商品は店内にはない」という考え方の持ち主でしたから。「自分の店にある商品で一番売れる商品は何か」ではなく、「自分の店にない商品で一番売れそうな商品は何か」といった発想をされてましたね。当然、かなり影響を受けました。

これって、編集でも同じことが言えると思うんです。原稿が上がってきたとき、「もしかしたら、この中にないものが一番大切なことなのかもしれない」と考えるようにしています。「自分の原稿にない情報で、一番必要な情報は何か」という発想ですね。たとえば、著者の先生やライターさんに企画を考えてもらおうと、弊社の目録を渡すことがあるんですが、そのとき、半分本気、半分冗談で「あんまりじっくり見なくていいですよ。そこに来年のベストセラーはありませんから。それは先生に考えていただきたいんです」と言うんです。読者の嗜好の移り変わりが激しいこの時代、目録の延長線上にベストセラーがあるかについて僕は懐疑的です。来年はまったく違うブームがくるだろうし、同じ一年でも前期と後期では読者傾向が変わりますからね。つまり、僕らは、「目の前にないものを考え」なければならないわけです。

当時は、小売店でのアルバイト体験がこんなふうに後の仕事に生きてくるとは考えもしませんでしたし、まさかこんなふうに人に話すことになろうとは想像だにしていませんでした。ですから、学生時代は業種にとらわれずに、積極的に幅広い経験を積むことが大切だと思います。


.amonya-box{padding:0;} .amonya-box *{margin:0;padding:0;}「頭のいい説明「すぐできる」コツ―今日、結果が出る! (知的生きかた文庫)」&#160;[文庫]&#160;著者：鶴野 充茂&#160;出版：三笠書房&#160;発売日：2008-11-20&#160;価格：￥ 600&#160;by ええもん屋.com「たった3秒のパソコン術 (知的生きかた文庫)」&#160;[文庫]&#160;著者：中山 真敬&#160;出版：三笠書房&#160;発売日：2008-04-21&#160;価格：￥ 630

（続く）

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